複雑・ファジー小説
- Re: 魔法少女戦記 ( No.14 )
- 日時: 2014/08/01 07:12
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
「次はいよいよ僕の番だねぇ」
僕はポツリとつぶやく。
ウルフマンとスチールマンを退ける実力を持つ相手。
と言うことは、久々の強敵到来に違いない。僕は今だ拝見していない、敵の実力に胸を躍らせた。
彼女たちは、僕をどれだけ楽しませてくれるのか、本当にワクワクする。
「それじゃあ、早速作戦開始といこうかねぇ」
夕焼けでオレンジ色に染まる空を眺めながら、僕は微笑んだ。
☆
あー、疲れた。
私は家に帰るなり、自分の部屋のベッドでゴロンと横になった。
魔法少女になってからというもの、来る日も来る日も怪人たちの激闘で、お昼寝があまりできていない。
これは怠け者で面倒くさがりの私にとっては、大変重要な死活問題だ。
けれど、今日はラッキーなことに一度も怪人が現れていない。
多分あっちも疲れているんだなあなんて思いながら、私はゆっくりとまぶたを閉じた。
☆
「はっ!夢か……」
あまりの悪夢にうなされて、私はパッチリと目が覚めた。
もちろん、目覚めは最悪だ。
全身冷や汗びっしょりなことに気が付くと、余計悪夢を見たことにいら立ちを覚えた。
「まったく、なんであんな夢を見なきゃないらないのさ!」
イライラのあまり、つい大きな声で文句が出てしまった。
それにしても、今見た悪夢は妙にリアルな夢だったけど、まさか正夢になるなんて言わないよね…?
「さあ、それはどうかねぇ?僕にもわからないねぇ。明日のお楽しみだねぇ」
突然、どこからか高い子どもの声がした。
謎の声は外から聞こえるようにも、中から聞こえるような気がする。
「誰ッ?誰なの?」
私はその声に条件反射で訊ねた。
「それはヒミツだねぇ。全ては明日のお楽しみだねぇ…」
声はだんだん小さくなり、やがて聞こえなくなった。
誰の声なんだろう?
そんなことを悶々と考えていると、おなかがなった。
下に降りてみると、ちょうど夕ごはんができていた。
とりあえず、今はさっきの声のことは忘れて夕ご飯を食べることにしよう。
あたしはそう楽観的に考え、父さんと母さんと一緒にご飯を食べ始めた。
でも、やっぱり気になる。一体誰の声だったの?