複雑・ファジー小説

Re: 魔法少女戦記 ( No.14 )
日時: 2014/08/01 07:12
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

「次はいよいよ僕の番だねぇ」

僕はポツリとつぶやく。

ウルフマンとスチールマンを退ける実力を持つ相手。

と言うことは、久々の強敵到来に違いない。僕は今だ拝見していない、敵の実力に胸を躍らせた。

彼女たちは、僕をどれだけ楽しませてくれるのか、本当にワクワクする。

「それじゃあ、早速作戦開始といこうかねぇ」

夕焼けでオレンジ色に染まる空を眺めながら、僕は微笑んだ。



あー、疲れた。

私は家に帰るなり、自分の部屋のベッドでゴロンと横になった。

魔法少女になってからというもの、来る日も来る日も怪人たちの激闘で、お昼寝があまりできていない。

これは怠け者で面倒くさがりの私にとっては、大変重要な死活問題だ。

けれど、今日はラッキーなことに一度も怪人が現れていない。

多分あっちも疲れているんだなあなんて思いながら、私はゆっくりとまぶたを閉じた。



「はっ!夢か……」

あまりの悪夢にうなされて、私はパッチリと目が覚めた。

もちろん、目覚めは最悪だ。

全身冷や汗びっしょりなことに気が付くと、余計悪夢を見たことにいら立ちを覚えた。

「まったく、なんであんな夢を見なきゃないらないのさ!」

イライラのあまり、つい大きな声で文句が出てしまった。

それにしても、今見た悪夢は妙にリアルな夢だったけど、まさか正夢になるなんて言わないよね…?

「さあ、それはどうかねぇ?僕にもわからないねぇ。明日のお楽しみだねぇ」

突然、どこからか高い子どもの声がした。

謎の声は外から聞こえるようにも、中から聞こえるような気がする。

「誰ッ?誰なの?」

私はその声に条件反射で訊ねた。

「それはヒミツだねぇ。全ては明日のお楽しみだねぇ…」

声はだんだん小さくなり、やがて聞こえなくなった。

誰の声なんだろう?

そんなことを悶々と考えていると、おなかがなった。

下に降りてみると、ちょうど夕ごはんができていた。

とりあえず、今はさっきの声のことは忘れて夕ご飯を食べることにしよう。

あたしはそう楽観的に考え、父さんと母さんと一緒にご飯を食べ始めた。

でも、やっぱり気になる。一体誰の声だったの?