複雑・ファジー小説
- Re: 魔法少女戦記 ( No.15 )
- 日時: 2014/08/01 07:13
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
翌日の給食時間に、みんなに変化が起きた。
この日あたしは体調が悪くて牛乳しか飲んでいなかったのだが、みんなは今日の給食はいつもの100倍美味しいとか言って、先生も含め、目をキラキラ輝かせながら凄い勢いで頬張っている。
すると、給食を食べたみんながみるみる大きくなっていくのだ。
いや、正確にはこの場合、肥えたと表現するほうが正しいだろう。
あたし、ゆき、あいな、ハニーの4人以外は、まるでボールに手足がくっついたと言った風にまるまるに太っている。
この光景は、昨日見た悪夢と同じ…!
ということは、犯人は昨日の声の子!
「正解だねぇ」
声と共に黒板からスーッとまるで幽霊のように、男の子が通過して現れた。
彼は綺麗で柔らかそうなシルバーブロンドの髪、リンゴのように頬が赤く肌の色は透き通るほど白く、耳がまるでエルフのように大きく少し尖っており、少し垂れた大きな緑色の瞳に長い睫、華奢な体躯を白いコック服、ウサギとリスの可愛らしいミトンをはめて、黒の半ズボン姿で可愛らしい笑みを浮かべて立っていた。
「僕は4大幹部のひとり、パペットマンだねぇ。よろしく、だねぇ。ところで、君たちはどうしてみんながこうなっちゃったか知りたい?だねぇ」
うん。めっちゃ知りたい。
「それは僕の作った料理を食べたからだねぇ。僕が作った料理を食べると—」
ハイハイ、太るんでしょ。
「最後には破裂してしまうんだねぇ」
な、なんですとー!
「止める方法はないのですか?」
あいなが冷静に訊ねる。
「あるねぇ。僕が手を叩けば元に戻るねぇ」
パン、パン、パン。パペットマンは3回手を鳴らした。
するとみんなが元に戻っていく。
これは、明らかに敵の痛恨のミスだ。
だが、知らぬが仏。
すると彼はキョトンとした後、舌を出して頭をかいた。
「あっ、僕としたことが、ミスをしてしまったねぇ」
そして彼は可愛い笑顔を浮かべた後、その愛らしい顔から想像できない言葉を口にした。
「4人まとめて、絶望させてあげようねぇ。変身してほしいねぇ」