複雑・ファジー小説
- Re: 魔法少女戦記 ( No.18 )
- 日時: 2014/08/10 05:41
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
わたしたちの前に、突然現れた不動仁王さん。
彼は開口一番、こんなことを口にしました。
「俺がお前達を鍛えてやる。今のお前達では100年闘ったとしても、あのパペットマンとかいうガキを倒すことはできない」
彼の言葉にわたしたちはうつむき、ショックを隠すことができませんでした。
彼の言っていることは多分正しいでしょう。
このとき、わたしだけでなく、他のみんなもきっと同じことを思っていたに違いありません。
「だが、俺が鍛えればあのガキを倒すまでにお前たちを成長させることができる。最も、受ける受けないは、好きにするがいい。
だが、これだけは言っておく。今のままでは、何度闘おうと負け続けるだけだ」
彼はそれだけ言うと、現れた時と同じようにフッと消えてしまいました。
彼がいなくなったと同時に、わたしたちは、まるでエレベーターが下降するときのように、ゆっくりと降りて地面に着地しました。
☆
パペットマンは学校にはもういなかった。
時は進み、学校も無事終わり、わたしたちは下校した。
「なあ、さっきの怖い顔の人の言うこと、その通りだと思うねん」
まいかちゃんがなぜか関西弁で言った。
「言われてみれば、その通りのような気がします。あの敵とわたしたちの実力は一目瞭然でしたから……ハニーはどう思いますか?」
あいなちゃんに訊ねられて、わたしは少し考えた。
確かにそうだよね。あの男の子の強さ、ちょっと今までの敵とは違っていたから、彼の元で修行したほうがいいかも…という趣旨をみんなに伝えると、
「そうだよ!あの不動仁王さんって人に、強くなれるように指導してもらおう!」
「うん、そうだね」
「その方が賢明ですわ。意地になって負け続けるのも嫌ですし」
こうしてみんなの意見は満場一致し、彼に指導してもらうことになったけど、あの人一体どこにいるんだろう?
「よろしい。では、早速修行を始めよう」
先ほどと同じように、音もなくフッと彼が現れて、わたしたちに告げた。