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複雑・ファジー小説
- Re: 魔法少女戦記 ( No.20 )
- 日時: 2014/08/10 05:43
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
「はあ…はあ…はあ…」
「僕はこっちですよ、みなさん」
鬼ごっこが開始されて20分が経つけど、あたしたちはフレンチを捕まえることができない。
変身して身体能力も超人的に上がっているはずなのに、どうして捕まらないんだろう?
すると、今まで無言だった不動さんがつぶやいた。
「だからお前たちはガキなのだ」
えっ?が、ガキですって!?
あたしはその言葉に、頭の血管がブチブチと音を立てて切れた。
「女の子に対してガキなんて失礼よ!」
しかし、彼は不敵な表情を崩さない。
「そうやってすぐ熱くなる…それがお前の悪いところだ。頭を冷やせ。そして冷静に相手を見ろ」
冷静に……そういえば、あたしは今まで敵の攻撃にカッとなってしまうことが多かったような気がする。
「怒りは判断力を奪い、結果的に敵の攻撃を受けることになる。もし怒りたいのならば、俺のように冷静に怒り、パワーを蓄積し、ここぞというときに一気に解放しろ!」
ドォン!
彼が拳を打つと、そこから巨大な拳状の光波が放たれる。
すごい…防ぎきれない…!
けれど、拳の光波はあたしにあたる前に消滅した。
「これが冷静なる怒りのパワーだ。わかったか?」
「うん…!」
すると、彼はあたしの答えに満足したのか再び無言になり、鬼ごっこを観戦し始めた。
「よし、準備運動はここまで」
30分も鬼ごっこをしたけれど、結局誰一人としてフレンチに触れることができなかった。
そしてここから、いよいよ本当の修業が始まるのね…
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