複雑・ファジー小説
- Re: 魔法少女戦記 ( No.21 )
- 日時: 2014/08/10 05:45
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
「それでは、お前達をこれから修行場へと案内する」
すると、彼はなんと背中から天使の羽を生やした。
不動さんだけではなく、フレンチくんも同じように白い翼を生やしている。もしかして、このふたり…天使?
「手を離すなよ」
言うなり彼はわたしの右手を右手で掴み、左手でまいかちゃんの手を掴んで、道場のドアを蹴破り外に出ると、トン!と軽く地面を蹴って腕が千切れそうなほどの速さで空を飛び始めた。
後ろを振り返ると、フレンチくんも同じようにゆきちゃんとあいなちゃんを連れて空を飛んでいる。
このふたり、やっぱり只者じゃないみたい…
「当たり前だ。ところで、今頃になって気が付いたが、このまま上昇し続ければ間違いなくお前達は死ぬ。したがってハイパードライブを使用する!」
え?何それ?
わたしが聞く前に体がフッと浮かんだかと思うと、次の瞬間には、まるで天国としか表現できないほど白い雲と青い空、美しい緑の森のある楽園に到着していた。
「ここは…?」
「俺たちの生まれ故郷、エデン星。お前たちがいうところの天国だ」
て、天国〜!?
「そうだ」
彼は平然と答える。
あまりのことに頭が真っ白になり、現状を受け入れることができない。
「だろうな。生きてここにこれた人間など、ほぼいない。数百年前にひとりいたかいなかったかぐらいの珍しい体験だ」
それは嬉しいんだけど、わたしたちまだ死にたくないし…
すると彼はギロリと殺気だった瞳で睨んだ。
やっぱり怖い〜!この人、本当に天使なの!?
「俺は正確に言うとエデン星人なのだが、これを話すとお前たちの脳がパンクしてしまうだろうから簡潔に話してやろう」
けれど、その割には不動さんのお話は無駄に長かったのでまとめると。
1 ここは地球から何万光年と離れた惑星エデン星である
2この星には死んだ善良な魂や神話に語られている神様が集まり、楽しく愉快に暮らしている
3この星の真下にある惑星はエンゼル星と言って俗にいう天使たちの惑星である。
4地球で天使と呼ばれるエンゼル星人たちは、地球では地獄と呼ばれるヘブン星とエデン星の間にある惑星間(地球も含む)を自由に行き来することができ、その能力を生かして、死んだ魂などをエデン星に案内する役目を担っている。
「大まかに説明すれば、こんなものだ」
ひぇ〜、ずいぶん長いです〜!
「それで、ここのどこが修行の場なの?
どうみてもそういう風には見えないけど」
まいかちゃんが口を挟む。言われてみれば、そうだよね。
なんだか、みんなのほほんとしてとても修行をする場所には見えないけど…
「今からお前たちは、それぞれの場所に待機してある俺の友人たちと闘ってもらう。それが修行だ」
「相手は誰なの?」
すると彼は不敵な笑みを浮かべ、
「行けばわかる!」
彼は再びパチンと指を鳴らし、わたしたちをどこかへ飛ばした。
どうして不動さんは飛ばしてばっかりなのよ〜っ!