複雑・ファジー小説

Re: グランディオーツストーリー【クレイグ士官学院リメイク】 ( No.4 )
日時: 2014/08/13 10:19
名前: 凡 ◆IBmmrNHoC. (ID: gOBbXtG8)

 この遺跡には出入り口から入って、まず件の台座が置かれた広い空間がある。
 そこから先は3つの通路によって道が別れていて、探索の上で皆は、固まって行動するか班に分かれるかで討論した。
 結果、効率を重視するために班に分かれて行動することとなった。
 この場にいるのは6人。丁度2人ずつに分かれて遺跡の探索が出来る。
 そんな中でロイは、迷うことなくパスカルとペアを組んで遺跡の探索に赴いていた。

 ランタンや松明が多いのでそれなりに明るいが、それでも通路の奥は闇に包まれていて見えない。
 徐々に地下へと下るように設計された床も、くねくねと入り組んでいてややこしい。
 道中に存在する分かれ道も、案内板など存在しているはずも無く。2人は慎重な行動を余儀なくされた。

「パスカル」
「うん? どうした?」

 靴底が石の床を叩くだけの音がするこの道で、ロイが今まで流れていた沈黙を破った。

「俺達、何か武器持たされてるけど、もしかして魔獣との戦闘があるのか?」
「だと思うぞ。じゃなきゃ、武器を持たせる意味が無いだろ」
「まあ、それもそうか」

 ロイたちだけでなく、他の皆も、台座の上に腕輪と一緒に置かれていた武器を手にしていた。
 多くの武器は個人で実家から持ち込んだものだが、中には士官学院側で適正武器を選んでもらった生徒もいる。
 ロイとパスカルは自分で家から持って来ていた。やはりというか、普段から使う武器が一番手に馴染む。

「おっと」
「?」
「油断するなよ、ロイ。早速のお出ましだ」

 噂をすれば、遠くではあるが、スライムのような身体を持った魔獣が現れた。
 目と口と、丸く赤いその胴体。脳味噌などある気配が無く、本能のままに生きていそうな魔獣である。
 数は3体。パスカルは早速、持ち前の武器で前へと出た。

「ほらほら!」

 パスカルの使用武器は、白と黒とで一対になった魔法拳銃が2丁。
 魔法から成る様々な種類の銃弾を撃ち出す事が出来る代物である。
 彼女は大口径のそれを両手に構え、走りながら空中に漂うマナ——魔法の源を銃にチャージする。
 彼女は、火炎を吐くそのスライムの弱点属性を"水"とみた。
 吐かれる火炎をステップで避け、炎が残る地面を飛んで避け、確実に距離をつめる。
 そして、白く小さな手で力強く引き金を引いた。
 引き金が引かれたことにより、銃の内部機構で無属性から水属性への属性変換が行われる。
 ほんの数ナノ秒もの間に行われたその過程を完了し、2つの銃口から強力な水圧弾が発射される。
 それは、火炎を吐き出さんと大口をあけていた2体のスライムの口へと入っていき、消火という形で息の根を止めた。

「負けてられないな!」

 パスカルがそうしている間に、ロイも動き出していた。
 彼の使用武器は、銃と剣が一体化した独創的なガンソード。
 バレットからバレルは伸びておらず、特殊な構造によってバレットから直接銃弾を撃ち出すことが出来るものだ。
 刀身は燻銀に輝き、片手で振るえるほどに軽いが、それでいて長さは十分にある。
 彼はそんなガンソードを左肩を越えて振りかざし、左斜めに大きく深々と、直ぐ其処まで来ていたスライムを切断。
 同時に柄の部分に備え付けられた引き金を引いて、切断攻撃と共に銃撃行動も取る。
 刀身のリーチが足りなかった分銃弾がそれを補い、小さな風穴を穿たれたスライムはやがて力尽きた。

「やるな、ロイ」
「パスカルも、やるじゃないか」

 スライムたちは紫色の煙と共に、その場から姿を消し去った。
 魔獣の特徴として挙げられるのが、死ぬと紫色の煙となってその場からしたい諸共消え去るという特徴。
 そのために、スライムたちはこの場から消え去ったのである。
 それを見届けたロイとパスカル。笑ってハイタッチをすると、2人は探索に戻った。