複雑・ファジー小説

Re: わかりあうための闘い【出場キャラ大募集!】 ( No.10 )
日時: 2014/09/21 04:46
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

愁二sid

『勝者、ベリー=クラウン!』
マジかよ…
Aブロックの第1試合を観戦していた俺は、予想外の出来事に息を飲んだ。
あの女、あの上条雄介とかいうカード使いを倒しちまった。
しかもただ倒したわけじゃない。敵の癖や戦闘方法を見抜いて、冷静に分析した上で圧倒して倒した。恐らく、これは恐らく、誰かの入れ知恵に違いない。だが、仮にそうだったとしても、ただの一度も攻撃を食らわずに、一方的に下しちまうだなんて、彼女はあまりにも強すぎる。勝ち名乗りを上げている、彼女の姿を見たとたん、俺は一気に恐怖が募ってきた。
俺も他の参加者と同じく、賞金10億円と、何でも願いを叶えてくれると言う権利がほしい。
けれど、それと命を天秤にかけるのには、あまりにも無謀すぎる賭けた。棄権しようか。
そんな考えが頭をグルグルと回る。しかし、ここで棄権しまえば、もしかすると人生1度きりの貴重なチャンスを不意にしてしまう事になる。それは、あまりにもおしい。
念のため、俺の対戦相手が誰なのかという事を、電光掲示板で確認してみる事にした。
対戦相手は巳鍵非檻とかいう読み方が難しい名前の少女だ。見たところ、あまり強そうではない。だが、油断は禁物だ。仮にも雄介は女に負けたのだから、油断はしないほうが賢明だろう。
そして、もう一度、改めてじっくりと敵の得物を観察する。奴は、小型の拳銃とナイフを武器として所持していた。武器の内容は、大方俺と同じだということがわかった。
これで、幾分か戦闘に対するイメージトレーニングができそうだ。早速目を瞑り、イメージトレーニングを開始する。拳銃とナイフは、ゴーレムで防げば問題ない。だが、問題がひとつ浮上した。それは、奴の能力がまだわからないと言う事だ。
能力さえわかれば、その能力がどんなものかで俺の勝敗が決まるというのに…
ここまで、俺は7割ほど彼女に勝利すると踏んでいた。だが、彼女の未知の能力が分からない以上、残りの3割の確率が俺の勝利を阻害する。
クソッ、相手の能力さえわかれば安心できるのに…闘うのがまた怖くなってきた。
けれど、その恐怖をつばと一緒にゴクリと飲み込む。
軽く息を整えて、冷静を取り戻し、俺は誰にも聞こえないほど小さな声でつぶやいた。
「俺も男だ…よし、やるか!」
俺はBブロックの白い大理石のステージに、ゆっくりと足を進めた。