複雑・ファジー小説
- Re: わかりあうための闘い【キャラ人気投票開始!】 ( No.131 )
- 日時: 2014/09/02 12:10
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
廉道sid
次々に重傷の患者が運ばれてきて、僕はてんてこ舞いだった。
けれど、長年の経験を生かして能力もしようして、やっと全ての患者の処置が終わった…と思ったそのときだった。
窓から外の景色を眺めていると、何やら怪しげな人物が近づいてくる。
背丈は間違いなく2メートル50センチはあり、茶色のロングコートにソフト帽を深くかぶっているため、その顔はよくわからない。
その人物は医務室の前に来ると、いきなりそのコートと帽子を乱暴に脱ぎ捨てた。
その姿を見た僕はあまりのことに仰天して息を飲む。
コートと帽子の下から現れたのは、冷たく銀色に輝くメタリックボディにサファイアのように赤く光る瞳、ダイヤ型の口が特徴のロボットだった。
彼は虚空から特撮番組に出てきそうな銀色の銃を出現させると、自動ドアの前でそれを発砲し、ドアを破壊。
そのままキュッキュッという幼児が履くシューズみたいな足音を立てながら、医務室に侵入してきた。
こ…これはヤバい!
僕は医務室の3階からその光景を見ると、いてもたってもいられなくなり、彼を食い止めようと急いで1階まで階段で降りた。
☆
「そこのきみ、何をやっているんだ!ここは大会で負傷した患者が休養する医務室だぞ!」
僕は声を限りに、彼に向って制止を促す。
すると彼はそのダイヤ型の口から、感情の一切もこもっていない機械的な音声を発した。
「だからこそ消去するのだ」
彼は先ほど取り出した銃の巨大バージョンを出現させると、僕の目の前にいた数人の医療班目がけてぶっ放した。
僕は間一髪で避けたが、彼らは避けることができず—気が付いたときは彼らは死亡していた。
「では、この医院に入院している能力者の全てを、このようにするとするか」
彼はキュッキュッと足音を立てて去っていこうとする。
…僕の大切な仲間の命を奪った後、さらに患者にまで手を出すと言うのか!
僕は体中が沸騰するほどの激しい憤りを覚え、怒りのあまり体を震わせながら、彼の前に現れた。
「待て」
「断る」
その直後、巨大な銃口から緑のエネルギー弾が発射され、その威力に僕は思いっきり吹き飛ばされた。
エネルギー弾が放たれた位置は吹き飛び、床がえぐれていた。
その攻撃をまともに直撃した僕の腹には風穴があき、血が大量に噴出している。
けれど、能力のおかげでそれらはすぐに回復し立ち上がることができた。
が、僕が立ち上がった時には、彼の姿はなかった。
まさか彼が向かったのは、1回戦敗退者が入院している3階…いや、彼はどこの階に患者がいるかわからないはず…そうなると2階から順番に上っていくはずだ。
すぐさま彼の行動を分析して、猛スピードで階段を開け上がり、非常用のドアを開けて、僕の目に飛び込んできた光景は、廃墟と化した2階だった。
幸い2階には誰も患者がいなかったが、3階にはいる。
急がなければ間に合わない!僕は再び階段を上って3階へ上がった。
すると、偶然にも彼とバッタリ遭遇することができた。
「お前、生きていたのか」
「僕は…大切な患者を守るために、死ぬわけにはいかない…!」
「フン。貴様は、この俺がHNΩだとわかってそのセリフを言ったのか?」
HNΩ…確かスター会長からそのようなロボの存在を聞かされたことがある。壮絶な激戦の末に敗れ、護衛ロボになっていたと聞かされていたが…
「スターレスリングジムの奴らには、以前から因縁がある。全滅させるのにはいい機会だ」
「きみの目的は…スターレスリングジムのメンバーの全滅なのかな?」
「そうだ。他のゴミに用はない。失せろ!」
まばゆい閃光と共に再びエネルギー弾が発射される。
光線を側転で避けるが、彼は表情を変えない。
いや、ただ単に変えられないだけかもしれないが…
すると彼は無表情な顔で、
「俺の背後にいる4人…超人キャンディー反応アリ…消去!」
彼が小型銃を引き抜き発砲すると、そこからベリーちゃん、雄介くん、ルナティクスくん、非檻ちゃんが現れた。
「きみたちはまだ休養が必要だ。部屋のベットで寝ているか、そうでなければこの場から離れるんだ」
僕が言うと彼らは微笑みを浮かべ、
「…あなたには怪我を直してもらった借りがある」
「世界の帝王になる男が、恩を返せないなんてことはできないからね」
「一緒に闘おうぜ…!」
「みんなで闘えばきっとコイツに勝てる!」
みんな…自分の命も顧みずに一介の医者である僕を助けようとするなんて、なんて心の素晴らしい子たちだろう…
その様子を見た彼は急に声の調子を変えた。
「フン。ならばクールモードはやめだ。俺の人格全開にして相手してやるよ、面倒くせぇ」
次回予告
カイザーチームVS不動チーム、タッグマッチ開始!
そして、誰もが驚く驚愕の真実が明かされる!