複雑・ファジー小説

Re: わかりあうための闘い【キャラ人気投票開始!】 ( No.134 )
日時: 2014/09/03 11:39
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

フレンチsid

リング上で起きたあまりにもあり得ない現象に、僕と不動さんは目を丸くしました。

先ほどまでリングにいたのは、確かに小さくて甘ったるい口調が特徴のハニーくんだったはずです。

ですが、彼がいたと思われるところにいたのは、可愛らしい美少女でした。

白と黄色を基調としたカラフルで派手なゴスロリという恰好をした彼女は、ニコニコと僕に愛くるしい笑みを浮かべます。

ちょっと天然そうな彼女のぽわわんとした笑顔を見ていると、なんだか自然と僕の力が抜けてしまいそうで、恐ろしさを感じます。

それに、先ほどのカイザーさんの発言…もしそれが本当だとしたら、僕たちは相当苦戦してしまうことは火を見るよりも明らかです。

ですが、兄であるはずのカイザーさんと元の容姿が全く似ていないと言うことから、もしかすると義兄弟なのではないかと推測します。

一応今のところ、わかっていることは、姿を変えたことは彼(彼女?)の能力ではなく、あの帽子が関係していると言うことです。

恐らくあれは、被ることで自由に性別や容姿を変化させることができる機能がついているのでしょう。

そう考えますと、外見が大幅に変化したのも多少強引ですが、頷くことができます。

しかし、困ったことに僕はハニーくんと一度もスパーリングをしたことがないのです。

そりゃあ、一度か二度、彼の練習試合を拝見させてもらったことはありますが、あのときと今では比べ物にならないほど成長していますし、あのときは本気を出していませんから、彼の実力を測る判断材料としてはあまりに物足りないのです。

「攻撃しないの?じゃあ、わたしから行かせてもらうねっ」

彼女はニコッと笑ったかと思うと強烈なキックを僕に放ちます。

間一髪で避けることに成功しましたが、掠めただけで摩擦で髪が少し焼ける威力…やはり、これは相当本気でいかなければ勝ち目はありません…

今までは攻めの姿勢で闘ってきましたが、そろそろ僕の本領発揮である受けの姿勢で闘わなくてはいけないようです。

本来ならば能力を発動せずに決勝まで勝ちあがろうかと考えていましたので、はやめに観客のみなさんに手の内を教えてしまうとせっかく盛り上がるはずの決勝戦が台無しになってしまうかもしれません。

でも、まあ、明日は準決勝ですし、また別の戦闘方法で闘って、決勝で本来の勝ち方に戻すと言うこともありかもしれませんね。

では、久々に本気で闘うとすることにしましょう。

次回予告
ヨハネスの淡い恋心とは…