複雑・ファジー小説
- Re: わかりあうための闘い【キャラ人気投票期間延期!】 ( No.150 )
- 日時: 2014/09/09 06:00
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
廉道sid
オーバーボディの中から現れた敵はスマートな赤いロボだった。
「攻撃開始だ」
一瞬何が起こったか見えなかった。しかし彼の手先を見て驚いた。
彼は手をランス状に変化させて、いつの間にか非檻ちゃんの体を貫いていたのだ!
「生ぬるい相手だ」
彼は乱暴に非檻ちゃんを放り投げ捨てる。
「畜生てめぇ…!」
乾いた音がしたかと思うと、雄介くんの両腕が通常ではありえない方角に曲がっていた。
「腕がああああ!」
「これでカードは使えまい」
次に彼はベリーちゃんのぬいぐるみを銃でブチ抜き破壊。
綿が飛び散り、ぬいぐるみが地面に落ちた。
「ぬいぐるみもこれで使用不可能だ。残るはふたり。だが、先にひとりを片付けるとするか」
その瞬間、ルナティクスくんにガッチリとパロスペシャルがかけられた。
「お前はフレンチにかけられた技で苦しむがいい」
骨の砕ける音がして、彼は断末魔と共に失神してしまった。
以前治したときよりも更に酷く彼の四肢がねじ曲がっている。
彼はほんの数十秒で4人を倒してしまった。
4人のうち3人は、もはや一刻を争うほどに危険な状態だと言うことは、誰の目にも明白だった。
「ゴミは片付けた。さて、最後の楽しみをたっぷり痛めつけるとしよう」
彼は冷酷な声で告げるなり、肘のあたりからパズソーを取り出し、僕に投げる。
僕は体を捻った回転で避けるけど、顔に傷を負ってしまった。
「本気の私には勝てなかったようだな。やはりゴミはゴミと言うことか」
反撃をしたいが彼のスピードについていくだけの力が僕にはない。
しかし、このままでは3人の命が尽きてしまう。
万事休すと思ったその時、
「どきたまえ、地球人の医師!」
背後から声がしたので振り返ってみると、バイクに乗った紫色のプロテクターが特徴のロボットが光こっちに向かってくる。
僕は慌ててバイクを避ける。
「宇宙警察コスモマン参上!」
コスモマンと名乗るロボはいきなりバイクでHNΩに突進し、そのまま跳ね飛ばした。
「地球の平和はこの私、コスモマンに任せろ。リサイクルショットガン!」
彼は腰のホルダーから白色の光線銃を取り出すと、西部のガンマンのようにクルクルと回した後、敵に向かって発砲していく。
「グオッ」
光線を受けた敵の体から白い煙が噴き出し始めた。
これは明らかにダメージを負っている証拠だ。
「今までよく闘ってくれた。さあ、ここは私に任せて、きみはあの子たちを治して避難するんだ」
僕は彼が援護射撃をしている間に彼らの元へと行き、能力で傷を癒す。間一髪で一命を取りとめた彼らを医院に避難させ、僕はひとり残る。
「僕もあなたと共に闘います。ひとりだけで闘うのはあまりに無謀です!」
その刹那、敵に向かって一枚のトランプが手裏剣のように飛んできた。
何事かと思って背後を見てみると、そこには驚愕の人物が立っていた。
「フフフフフフフフ……久しぶりですなあ、HNΩよ」
白いマントに白い軍服、白のオールバックの髪に黒い瞳が特徴のジャドウさんだ。
彼は確かにさっき爆死したはずだ。
それはテレビ中継で流れていて、それは僕も見た。
でも、どうして生きて…それとも僕は幻を見ているのか?
「フフフフ…幽霊に足があるかね?」
言われてみると、彼にはちゃんと二本の足がついている。
「なぜだ、お前は確かに死んだはずだ!我々会員は全員お前が死ぬのを目撃したんだぞ!あれほど盛大に爆発して、死なないなんてことがあるわけなどない!」
HNΩが問い詰めると、彼は涼しい顔で、
「では…あれがお前達の目を誤魔化すための演技だったとしたらどうかな?」
「なっ…貴様…!」
「お前達完璧美食家のメンバーは誰も知らないとは思うが、カイザーと不動と会長の間には『俺が爆死したときは何かあると思え』と言う暗黙の了解があってな」
敵はおろか味方までもだますとは、彼は何という人なんだ…
彼はそんな僕にお構いなくサーベルを引き抜き、不敵な笑みを浮かべ、唖然として立ち尽くしている僕らに告げた。
「俺は普段1対数人で闘うなどと言うことは決してしないが、今回だけは例外だ。お前達の手を借りるとしよう」