複雑・ファジー小説

Re: わかりあうための闘い【夢の対戦カード決定!】 ( No.168 )
日時: 2014/09/11 21:00
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

葵sid

わたしたちの前に朗らかな笑みを浮かべて立っているおじいさん、彼がスターさんの先生だなんて…

わたしはもっと若くて筋肉隆々な人を想像していたため、あまりのギャップに驚いてしまいました。

すると彼はそんなわたしの様子に気が付いたのでしょうか、ニコニコと微笑んで、

「ホッホッホ。わしは年寄りじゃから信じてもらえんのも無理もない話じゃ。それじゃあわしがスターくんの師匠である証拠を見せるとするかのう」

そう言ったかと思うと彼はぴょんと飛び上がり、スターさんの頭の上で人差し指一本だけでバランスをとったと思いきやその指だけの力で飛び上がり、着地しました。

確かこれはフレンチくんが準々決勝で見せた動きそのものです。

更に彼は驚くべきことに、120キロもあるバーベルを軽々と持ち上げて見せます。

わたしたちも持ち上げようとしたのですが、残念ながらビクともしませんでした。

彼は間違いなく世界一運動のできるおじいちゃんでしょう。

もしかすると宇宙人なんじゃないでしょうか…なんて想像も膨らむほど、この場は大盛り上がりを見せました。

ですが、彼の登場により、明日の敵の対策がお流れとなってしまいましたが、果たしてこのまま闘っても大丈夫なのでしょうか?



「巨大なひし餅!?」

翌朝目を覚ましたわたしは外の景色を見て、目が飛び出しそうなほど驚きました。

なぜって、外に見上げるほど大きいひし餅がドドンと街の中央に設置されていたのですから。

みんなで近づいてみますと、それはひし餅を模した16階建てのリングでした。

敵のみなさんが言うには、ひし餅型だと安定感がばっちりで倒れる心配がないそうですが、それにしてもカラフルな段と段の間にリングがなければかじりつきたくなるほど本物そっくりです。

よく一晩でこれだけ立派な建物を作ることができたなあと、敵ながら賞賛してあげたい気持ちになりました。

敵のみなさんは、それぞれの階でわたしたちを見下した視線を取りつつ待機しています。

「運営委員&出場者連合軍のみなさ〜ん。早く上がってきてください。中にエレベーターがありますよ〜!」

上の声に言われたのでよくよく見てみますと、確かにエレベーターのボタンのドアがあります。

しかも中は相当に広く20人以上乗ってもまだ入るほどです。

その広さに感心しつつ、みんなはそれぞれ自分の対戦相手のいる階のボタンを押します。

わたしは1階ですので、すぐに降りました。

降りたのは床が白色になっているリングでした。

「あなたがわたくしの対戦相手ですわね?」

リングに立っていたのは、茶色の髪に茶色の瞳、黒いベストに黒い半ズボンの女の子です。

「わたくしは、フォルテ=フォン=ロイヤルと申しますわ。日向葵さん、正々堂々闘いましょうね」

「こちらこそ、よろしくお願いします」