複雑・ファジー小説

Re: わかりあうための闘い【夢の対戦カード決定!】 ( No.178 )
日時: 2014/09/14 07:05
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

安瀬sid

試合開始のゴングがなるやいなや、俺は相棒が倒された怒りに任せて敵に向かって突進していった。

「ニャハニャハ!あなたはよほど直情的な性格のようですねぇ。たかが仲間が倒されたぐらいでこんなにもムキになることないじゃないですか」

奴は俺の突進を回避すると、レバー目がけてパンチを放つ。

脇腹に痛みが走りながらも、俺は敵を睨みつける。

すると彼は不敵な笑みを不気味な笑い声を上げて、

「わたしたち完璧美食家メンバーは、あなた方のような敗者をいたわるという感覚はありません。勝利こそ全て、敗北は負け犬でしかない」

奴は掌底を体をのけ反らすようにして避けると、サーカスの曲芸師のような身軽な動きで間合いを取り、

「ですから、あなた方のような感覚は理解できないのです!」

奴が打ってきたパンチを肘で払い、俺は奴の頬に渾身の一撃をヒットさせた。

「ニャハ…!」

クレープは少しだけ後退し、またしても妙な笑い声で俺を挑発する。

「先ほど真っ先に敗れたピエールは、我々の中では最低の実力。彼を破ったからと言って自慢にはなりませんよ。ニャハニャハニャハ!」

素早く背後に回り込み、チョークスリーパーで俺の頸動脈を締め上げる。

「痛いでしょう、苦しいでしょう…なら早く泣いて謝りなさい。そうすれば技を解いてあげますよ」

クレープは俺の耳元でそんなことを言う。

「バカが。俺はお前みたいな変態野郎に泣いて謝るぐらいなら、女装したほうがずっとマシだぜ!」

彼の股間に後ろ蹴りを食らわせ悶絶させ、その隙を突いてアトミックドロップを敢行し、間髪入れずにヨハネスの得意技のジャーマンスープレックスを炸裂させた。

しかし奴は素早く体を反転させ、ジャパニーズレッグロールクラッチの高等技で俺をいたぶる。

だが、俺も負けてはいられない、すぐさまそれ外し、ロープの反動を利用して跳ね返り立ち上がってきた彼の首を両足で挟み、そこを支点にしてグルグル回転し背後を取ると、素早く脇固めをかけてマットへ押し倒した。

「ニャハニャハ!笑わせますねぇ、その程度の技でこのわたしが倒せるとでも思いましたか?」

「いいや、思っちゃいないさ!」

脇固めから弓矢固めにスイッチし、奴の背骨を傷めつける。

だが、奴は背骨が弓なりになっても苦悶の表情を浮かべるどころか、逆に笑っているのだ!

「ちょうどいいマッサージになりましたよ〜。このお礼は、ぜひともたっぷりして差し上げなくてはなりませんねぇ」

すると奴は俺の腕を掴み、軽々と技を外し、あっという間に技を破ると、まるで赤ん坊を抱き上げるかのように軽々と俺にバックドロップをお見舞いした。

立ち上がろうとしたその刹那、脳天に激しい痛みが襲った。

「ニャハニャハ!無様ですねぇ。何が相棒の敵打ちですか。虚しいことはおやめなさい。さっさと降参して、この苦痛から逃れたほうがあなたのためですよ」

彼は倒れ伏している俺に言葉を続けた。

「それにしても、あなた方も物好きな人たちですねぇ。わたしはあなた方の大会の様子を当初から拝見させていただきましたが、勝てないと言うことを最初からわかっておきながら、無意味な勝負に挑む物好きのなんと多いことか。だから、それに影響されてアリエスさんやトリニティさん王李さんに井吹さんと、死にたがりが増えるわけです」

死んでいった仲間を侮辱し笑った奴の言葉に、俺の体内に流れている血がふつふつと沸騰していく感覚を覚えた。

「俺はな、自分のダチを笑われるのが何より許せねぇんだよーっ!」

奴の顔面に怒りの肘打ちの連打を放つ。

アリエス、トリニティさんは共に大会で闘った仲間で、王李と井吹は完璧美食家が現れてから知り合って、仲良くなった仲間だ。

奴らが全力を尽くして闘って、次の仲間に勝利や夢を託して死んでいったことを平気で笑いやがったコイツだけは、ぜってぇ俺がブッ倒す!

「人の死を負け犬と笑いやがる、人の姿を借りた悪魔野郎…てめぇの血は…ぜってぇ俺たちと同じ赤色じゃねぇーっ!」

俺は死んでいった仲間の無念を晴らすべく、奴の顔面に渾身のストレートを炸裂させた。

「ニャハギャァー!」