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複雑・ファジー小説
- Re: わかりあうための闘い ( No.27 )
- 日時: 2014/08/27 05:52
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
ナーニャsid
僕は勝利を信じてリングへあがる。
1万人を超える大観衆。割れるような声援。
世界の超能力者(勝ち残ったのはなぜか日本人が多いけど)が集うこの大会で、優勝するのは、この僕、ナーニャと決まっているわ。
そんな僕の対戦相手は、黒髪で少しボサボサした短髪に少し大きく黒い釣り目で、服装は灰緑色で記事の薄いジャンバーにベージュの長ズボン。靴は白を基調としたスニーカーを着て皮手袋をはめた男性、安瀬須澄。
僕は、これまで試合をしてきた他の人たちとは違う。
どうしても勝たなければならない理由がある。
それは賞金が欲しいからじゃない。
狙っているのは、なんでも願いを叶えてもらえるという、あり得ないほど最高の景品。
別に僕はお金持ちになりたいとか、世界征服をしたいとかそう言ったことには一切興味がない。僕の願いはただひとつ—
(あんたを必ず僕の体から追い出してやるんだからっ!)
そう決心したあたしの心の中で、いつものように声が聞こえる。
(無理無理。強豪が集まるこの大会で、あんたに優勝なんてできっこない。あんたはあたしを追い出すことさえできない、弱虫で泣き虫でヘタレなんだよ!)
(そんなことない!僕は…必ずこの大会で優勝して、あんたに出ていってもらうんだからっ!)
(あら、それは楽しみ。まあ、せいぜいがんばることね)
心の中に潜むもうひとつの人格、零は吐き捨てるようにそう言うと心の中に引っ込んでしまった。
「絶対、あなたに勝つ…!」
敵を睨み、そう宣言する。
自分ができる全力を振り絞って必ず彼に勝利して見せる!本当の僕を取り戻すために!
次回予告
劣勢のナーニャに思わぬ救世主が現れる!?
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