複雑・ファジー小説

Re: わかりあうための闘い ( No.32 )
日時: 2014/08/16 10:01
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

ナーニャsid

「ぐあっ!」

敵はルナクティスさんから借りた技を受けて後退する。

「こ…この技は、さっきAブロックで闘っていた奴が使っていた技じゃねぇか!」

「真似…するの得意だから…」

「これはお前の能力だろ!?他人の能力をパクるなんて反則だろ!」

「…ごめん。何て言ったの?ねてた」

「能力をパクるのは反則だって言ったんだよ!」

「真似するのが…僕の闘い方だから…」

「お前ついさっきまで『あたし』って一人称使ってたよな?」

「気のせい。僕は最初から僕って言ってた」

「そうかよ。だが…そんなくらだねぇことはどうだっていい。俺はお前に勝ってベスト8に進出するんだーッ!」

彼は再びラリアートを放ってくる。

「ごめん。それは無理。勝つのは、この僕だから…」

僕はロディさんの指示を待つ。

「カーフブランディングで仕留めろ」

少し声を低くして、ぶっきらぼうに彼は言った。

すぐさま僕の脳内で彼の口にした技がイメージとして伝わる。

そして敵のラリアートを開脚飛びで避けると、自分でも信じられないほどの怪力で敵を持ちあげ放り投げ、そのまま上昇する。

そして敵の頭を両手で掴み、彼の後頭部に自分の右ひざを当て、そのまま高速で落下し、敵の頭部をマットにこれでもかとばかりに押し付けた。

「…カーフブランディング…!」

敵はこの技でぴくぴくとけいれんを起こしていたけど、やがてがっくりと動かなくなった。

試合終了のゴングが鳴り、僕はこの試合、一度も零と入れ替わることなく勝利を成し遂げた。

この勝利はロディさんのおかげだ。

と、コーナーポストを見てみると、彼の姿がない。

どこに行っちゃったのかな…?

※月影ほたるさんへ

このお話からナーニャの性格や一人称を設定に沿った形に変更してみました。彼女らしさが出ているといいのですが…どうでしょうか?