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複雑・ファジー小説
- Re: わかりあうための闘い ( No.33 )
- 日時: 2014/08/16 15:48
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
儀仗sid
Bブロック第2試合がついに始まる。
俺はじっと対戦相手であるアリエス=マクラウドを見つめる。
それにしても、こいつはなんて奇抜な恰好をしているんだ…
肩甲骨付近まで青い髪が伸びており、上半身は裸。
Fカップはありそうな胸に晒をしているだけというまるで昔の不良のような恰好なのだ。
そして下半身は何故かジーパン。しかも、過度なダメージが入っていて、けっこう破れている。
俺はこんなインパクト抜群の奴と闘わなければならないのか…
そう思うとなんだか微妙な気持ちになる。
☆
アリエスsid
先ほどからあたしの対戦相手となる男は、しきりにあたしの方を眺めている。
好意があるのかそれとも敵としてただ観察しているだけなのか。
試合が始まって早くも2分が経過しているが、あたしも彼もどちらも膠着状態で動かない。
いや、正確にはお互いのファッションセンスに驚かされ、試合どころではなくなっているというのが現状だろう。
目を丸くしている彼、舞姫儀仗は、黒のコートを羽織ってフードを深くかぶり、紅い鋭い眼でニヒルに笑みを浮かべている。
その黒のマントの中からは迷彩服をコートの下に着ている。
あたしはこんなファッションセンスがゼロの男と対決しなければならないのか…なんだか萎えてくる…
「あんた、ファッションセンスゼロだな。この俺の相手かと思うと泣けてくるぜ…」
「それはこっちのセリフよ。一体何時代の恰好をしているんだか」
「なんだと!?」
「なんなの!?」
「殺る気か?」
「いいわ。すぐに倒してあげるんだから!」
「望むところだ、行くぜ!」
互いのファッションで激しい睨みあいを繰り広げたあたしたちは、よくやく試合に突入した。
この男がどれほどの実力を持っているのか楽しみだ。
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