複雑・ファジー小説

Re: わかりあうための闘い ( No.45 )
日時: 2014/08/17 09:09
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

儀仗sid

試合開始直後、俺は敵にタックルをしかけて押し倒し、マウントを取る。そして顔面にパンチを浴びせる。

「てめぇ、なんで晒なんだよ。ブラジャーぐらいしろよ!」

「別にそんなのあたしの勝手なんだからいいだろ!人のファッションにとやかくケチをつけるな!」

奴は俺のパンチを巧みにガードし、一瞬の隙をついて俺から逆にマウントを奪う。

「どうした?俺にパンチを振るうだけの勇気がないのか?」

「いえ、あたしはパンチじゃなくて…コレでいかせてもらうわ!」

「ブッ…!」

不意に強烈な掌底が俺を襲ってきた。

「パンチっていうのは威力は大きいけど、空振りが多い。だけど掌底は威力こそ低いけど、命中率はずっと上よ!」

コイツのどこにそんな力が眠っているのか疑問に思うほど、激しい掌底の連打を受けた俺は、口から血を吐き出す。

「なかなかやるじゃねえか」

俺は奴のマウントを今度は逆に奪い返し、すかさず腕ひしぎ十字固めをお見舞いする。

「さあ、腕をヘシ折られたくなかったらギブアップしな!」

「嫌よ」

「だったら腕を折らせてもらうぜ!」

先ほどよりも極めている腕に力を込めるが、奴の顔は氷のように冷静で平然としている。

「あんたはこんなことができるかしら?」

言うなりなんと、彼女は腕ひしぎに極められた右腕で俺を持ち上げ、立ち上がり、そのままラリアートでもするかのように、自分の腕をコーナーポストに叩き付けた。

思いきり衝突したため、かなりのダメージを負った俺は腕ひしぎを外してしまい、マットを転がる。

「今度はあたしの番よ」

奴はいきなりコーナーポストから一足飛びに飛び上がると、俺の甲板目がけてドロップキックを放つ。なんて足のバネだ!

「あたしは少しレスリングジムでレスリングの基礎をならったことがあるから、これぐらいの技はできるわ。あんたはどうかしらね、戦闘狂さん」

「ぐ…っ!」

俺は今までプロレスなどやったことはないが、護身術を習ったことがある。それを応用して少しは闘えると思ったが…こうなったら奥の手だ!

「畜生!こうなればお遊びはおしまいだ!一気にケリをつけてやるぜ!フル=バーストォ!」