複雑・ファジー小説

Re: わかりあうための闘い ( No.83 )
日時: 2014/08/20 21:05
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

儀仗sid

俺たちチームウェポンは、現在フレンチと交戦している。

たった今放ったラグとの同時攻撃が奴にヒットしたと実感したが、奴は俺たちの拳を楽々と受け止めていた。

すげぇ反応速度だ。

とてもじゃないけど、格闘では反応が早すぎて俺では相手にならない。

そう判断した俺は、取りあえずヒット&アウェイ戦法で様子を見ようと、一旦奴と間合いを取る。

「ここは僕にお任せください、儀仗様!」

ラグは両手を飛ばしてロケットパンチで奴を吹き飛ばし、再び腕を装着すると、今度は緑の瞳から破壊光線を発射し、フレンチを怯ませる。

続いて両肩のハッチを開いて超小型ミサイルで奴を追撃する。

そのほとんどは避けられたりしているが、意外と追い詰めているような感じがしなくもない。

「そんな攻撃がこの僕に通用すると思っているのですか?」

あくまでもフレンチは笑みを浮かべて対応する。

どうやら敵はまだまだ余裕らしい。

「あなた様はご主人様が№1の実力を持つと認めたお弟子様ですから、それぐらいの攻撃が通用しないことは初めから僕のコンピューターが計算していましたよ」

「だったらなぜ無駄な攻撃をするんですか。装備の無駄遣いですよ」

お前にはそう思えるかもしれねぇが、俺はそうは思わないぜ!

「いまだ、ラグ!」

「しまったっ!」

ジャンプで飛び上がったため、奴の動きが制限されたところを、ラグが身を翻してバックに回って腰のあたりを掴み、上空でジャーマンの体勢に捕えながら高速で回転し、地面へ思い切り叩き付けた。

これはラグの説明によると、運営委員のひとりであるおっかない顔の不動の必殺技らしい。

あの高度から固いアスファルトの地面に叩き付けられたらさずがの奴も生きてはいられないだろう。

だが、その考えは甘かった。

奴はこの技を知り尽くして巧みに受け身を取り、ダメージを軽減させていたため、すぐさま立ち上がり、俺のどてっ腹に鋭いつま先蹴りを撃ちこんできた。

まるで槍が貫通したかのような激しい痛みが襲い、うめき声をあげる。

フレンチはそんな俺にお構いなく、今度はラグに蹴りを見舞うが、素早い反応速度でそれを華麗に避け、逆に奴の足を取り、片手だけでジャイアントスィングを敢行し、コーナーポストの代わりの大木まで放り投げる。

しかし、敵は木を蹴って反動で跳ね返り、ココナッツクラッシュを放つ。

けれどラグはノーダメージで立ち上がり、レッグラリアートを決めるも、体をのけ反らすことによって無効化されてしまう。

奴は足を揃えて立ち、この場に似合わない可憐な笑みを浮かべる。

その笑みが俺を何より恐怖させたのは言うまでもないだろう。

けど、俺たちは負けねぇ!

ぜってえ勝ってコイツをギャフンと言わせてやる!