複雑・ファジー小説
- Re: わかりあうための闘い【出場キャラ大募集!】 ( No.9 )
- 日時: 2014/09/21 04:47
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
雄介sid
「……行くよ、うさぎちゃん」
彼女は試合開始のゴングが鳴った刹那、いきなり俺に大鎌を振り回してきた。
巨大な鎌は空気を切り裂き、俺の頬を風圧が掠める。
「あんた、おっかねぇ武器持ってんだな」
「……あなたの武器はなに?」
「俺の武器はこのカードだ」
ホルスターからカードを展開し、バリアを作り出して、彼女の攻撃を防ぐ。
しかし、彼女の得物である大鎌の威力は相当なもので、いとも容易くバリアを破壊した。
「……あたしは、何がなんでも、10億円が欲しい…そのために優勝するの…」
「それは俺も同じだ」
答えると、彼女の顔に少し影がかかった。
「…あたしがお金が欲しい理由も知らないくせに…同じだなんて言わないで…!」
ドォン!
小柄の体のどこに、それだけの力があるのかと思えるほどの斬撃を繰り出し、彼女は俺を圧倒し始める。あの鎌の攻撃を防ぐのに、かなりの回数を使いこなしてしまった。カードには回数制限があり、回数を過ぎてしまうと、能力を発動できない。このまま試合が進んでしまい、カードを何枚も使用してしまえば回数制限をオーバーし、能力を発動できなくなってしまうだろう。そうなれば、俺に勝ち目はない。その時、彼女の大鎌が俺の体を斜めに斬りつけた。斬られたところからは、まるで映画のグロイシーンのように、大量の血が噴き出す。
斜めに斬られた傷の血は止まることを知らずドクドクと流れていく、恐らくこのまま何も対策を取らずに放っておけば、俺は間違いなく、死ぬ。嫌だ、俺はまだ、生きたい!
極限の精神状態の中、ついに俺の心の中のタガが外れてしまった。
「ヒャハハハハハハハ!」
☆
ベリーsid
彼はあたしの度重なる攻撃に、ついに我を失った。まるで獣のように吠えながら、何の戦略もなく、ただイノシシのように猪突猛進で向かってくるだけだ。
あたしは事前に彼の闘いぶりを、先の闘いでよく観察しているから、彼の戦法や癖などが手に取るようにわかる。今の状態は、彼が精神的に追い詰められどうしようもなくなったときに発動する、通称戦闘狂モード。最終予選で、あたしの相手をしたジャドウさんからこの情報は聞かされていた。
『奴はこのモードになると、大幅に戦闘能力を上昇させ、体の一部を破壊してくるカードを使用してくる。くれぐれも気をつけることですなあ…』
彼の言葉を思い出し、まるで獰猛な闘犬のように挑みかかってくる上条雄介に、彼がカードを展開するよりも早く、大鎌の斬撃を浴びせた。
ドサッと音がして、彼が地面に倒れ伏す。彼はおなかから先ほどよりも激しい血を流し、完全失神していた。
「勝者、ベリー=クラウン!」
ステージの外で待機していたレフリーが、あたしの勝利を告げ、ステージに上がるとあたしの右腕を掴み、上へ高々と上げた。
これでまずは1勝目。これで10億円にまた一歩近づいた。