複雑・ファジー小説
- Re: わかりあうための闘い【感想ほしいです!】 ( No.97 )
- 日時: 2014/09/20 04:45
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
ヨハネスsid
川村くんは斬心刀を振りかざし、僕に斬りかかってくる。
「元仲間であろうと、今は敵!覚悟するでござる!」
彼の刀を僕は能力を発動して受け止める。
キンキンとお互いの刀で打ち合う僕ら。
「川村くん、きみは今誰かにマインドコントロールされているんだ。僕にはわかるよ。本当は闘いたくないんだよね。それは僕も同じ。親友同士で闘うなんておかしいよ!」
「ヨハネス殿、なかなかやるでござるな」
「僕の話聞いてた!?」
「お主の話など聞く価値はないでござる!」
振りかざした刀をすんでのところで避け、僕は再び口を開く。
「川村くん、お願い斬心刀を収めて。ここはお互い話し合いで解決しよう」
「それはできぬ願いでござる。お主とは闘いで語り合うだけでござる」
彼の殺気立った瞳を見て僕は決心を固める。そして、安瀬さんに指示を出した。
「安瀬さん、今です!」
僕の指示で彼は飛び上がり、川村くんの首筋にフライングレッグラリアートを叩き込んだ。
川村くんは剣の腕は超一流だけどプロレスは三流だから、まともにガードすることもできずに吹き飛ばされる。彼は口から血を吐き出しながらも、立ち上がって斬心刀を構える。そんな彼を見て僕はとても心が痛い。親友と闘うだなんて、僕にはそんなことできないよ…
彼を狂気から救うために、頭の中で彼のマインドコントロールを解く方法をあれこれ考えると、僕の頭の中に名案が浮かんだ。彼に微笑んで、イチかバチかの賭けをしてみた。
「ねえ、川村くん。僕、きみと闘ったからおなかすいちゃった。これから、3人で何か食べに行かない?」
☆
「拙者は、どうしてお主らと敵対していたのでござろうか……」
彼は大好物のカレーライスを食べながら、そんなことをつぶやいた。その言葉を聞いて彼のマインドコントロールが解かれたことを確信した。
「きみはマインドコントロール…つまり洗脳されていたんだよ」
「洗脳?拙者がでござるか?」
彼の問いに僕たちはふたり揃って頷いた。
「他の運営委員も誰かに洗脳されている。川村、これはヨハネスから聞いたんだが、お前の刀は人の心を斬ることができるって本当か?」
安瀬さんが訊ねると、彼は胸を張って答えた。
「左様でござる。でも不動殿やジャドウ殿や星野殿の洗脳を解くのは、拙者には無理でござる。拙者の斬心刀は宇宙人の心まで斬ることはできないのでござるのだから…」
「そうか…」
彼らの洗脳を解く方法がないと、彼らを倒すしか方法がない。
けれど彼らは桁違いの実力者である以前に、不動さんとジャドウさんは王李くんと井吹くんの師匠で、星野くんはメープルさんの恋人だ。
自分にとって本当に大切な人を手にかけるなんてこと、彼らにできるだろうか。
恐らく—不可能だ。
彼らの勝率は低い…彼らの洗脳を解くすべがあればいいんだけど…僕はただみんなが生きて帰ってきてほしいと夕焼け色に染まりかけたスタジアムを見つめ願った。
するとそのとき、驚いたことに食堂のテレビに彼らの試合が中継されたのだ。
4分割された映像が映し出され、それを見た僕らは愕然とした。
みんな、苦戦している。
いや、ただ1チームだけ試合を優勢に進めているところがあった。それは—
「チームウェポン…」