複雑・ファジー小説
- Re: Overcome ( No.13 )
- 日時: 2016/08/01 15:05
- 名前: よをこめて (ID: XOYU4uQv)
メイは一度教室に戻りカバンを持って、校舎案内の地図を見てから校舎を出た。
「林さん。」
門を出るとメイは誰かに後ろから呼び止められた。
メイが振り返るとそこには習が立っていた。
「寮まで一緒に行きましょう。」
習は微笑み、メイとの距離を一定に保ちながらメイを追い越して前を歩いた。メイも習について2m程後ろを歩く。
校舎案内の地図には寮までの道は書かれていなかったのでメイは内心ほっとした。
しばらくして、少し古びた建物が見えてきた。
「ここが男強高校男子寮の『連翹寮』です。」
習は歩きながら振り向くことなくその建物を指して言った。
寮の扉と思われるところで1人の制服を着崩した男子生徒が手をズボンのポケットに入れて立っていた。
「圭さん。」
習がその生徒を呼んだ。メイは足を止めてその生徒を見る。
「おう!習。…であの子が転校生かな?」
圭と呼ばれた生徒は左手を上げ、習に聞いた。
「はい。林メイさんです。」
「俺はここの寮長の北原圭。よろしくね、メイちゃん。」
圭もまたメイから2m程離れたところで自己紹介し、クシャッと笑った。メイは一礼しうつむいた。
「いきなり名前呼びですか。さすがチャラ男と呼ばれるだけありますね。」
習が眼鏡をかけなおしながら圭に言った。
「うっせ。
とりあえず、食堂行こうか。皆集めといたから。」
圭はそう言って中に入って行き、習もつづいて中に入った。
メイも二人につづくように扉に足を進めた。扉に入る前にはたくさんの花や木があった。
「連翹…。」
扉の横にあった看板を見て呟いた。
「黄色い小さい花だよ。」
メイの後ろから声が聞こえ、メイは驚き、振り返ると1人の生徒がいた。
「花言葉は希望。」
その生徒がつづけて言い、右を向いた。メイもつられて左を見た。
「藤の花…。」
メイはまたそこにあった花を見て呟いた。すると、中から内開きの扉が開いた。
「林さん?いきますよ?]
習だった。メイは頷き、中にはいった。
「あ、風野君。」
習がメイの後ろにいる生徒を見て言った。
「あ、智也お前またそこにいたのか。」
圭もその生徒を見て言い、入れというような動作をした。
メイは置いてあったスリッパに履き替えた。
圭も習も既に靴を履き替えてあった。そして、メイが履き替えたのを見て歩きだした。
12話>>14
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【よをこめて】より