複雑・ファジー小説
- Re: Overcome ( No.2 )
- 日時: 2016/03/16 16:23
- 名前: よをこめて (ID: d9JZZrk4)
『ピロロロロ…』
目覚ましがなり、メイが目を覚ました。
メイはまず、洗面所に行って顔を洗い、長い髪を整える。
リビングに行くと、テーブルの上に朝ご飯が用意されている。
「おはよう」
キッチンに立っている母親に声をかける。
母親もおはようとかえす。
朝ご飯を食べ終えると、母親がメイの前に座った。
「なに?」
メイが不思議そうに聞くと、母親はニコッと笑った。
「今日から、この学校に行ってほしいんだけど。」
パンフレットをエプロンのポケットからだした。
折って入れていたのか、ほんの少し曲がっていた。
「男強高校?
まって、ここ、男子校じゃないの?」
「それがね、違うのよ!名前は男子校ぽいし、今のところ生徒は男子しかいないらしいんだけど。」
「無理だよ!そんな所!
それに、転校するなら、編入試験があるはずでしょ?」
メイが怯えた目をした。
「編入試験の事なら、あなたのこの前のテストを理事長さんに見せたら合格って言われちゃった」
母親は自慢気に言った。
「なんで…」
メイがボソッと言った。
「そんな、いつまでたってもウジウジしてちゃ、男嫌いはなおんないわよ!」
「……」
『男嫌い…か…』
母親はメイが単なる男嫌いだと思っている。メイが男性恐怖症だと知っているのは、メイが心を開いたほんの数人である。
メイは左手首を右手の平で強く握った。
「とにかく、ここに今日から、行ってもらうから!」
母親はパンフレットを指した。
「……」
メイはうつむいた。
「はい!ほら、動く!」
母親の声と同時にメイは立ち上がり、リビングをでて、部屋に戻った。そして、昨日まで着ていた制服を着て、玄関に向かった。
「いってきます…。」
ボソッと呟いたメイ。すると、母親があっ、と何かを思い出したのか玄関に来た。
「ちなみに、全寮制だから、この学校。
いってらっしゃい!」
「……」
一瞬、メイの思考回路が停止した。
「やだよ!そんなの!」
「もう、決まったこと!はいっいったいった!」
メイはほに背中を押されて、無理矢理家を出された。
メイはため息をついて、仕方なく歩き出した。
2話>>3