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複雑・ファジー小説
- Re: 堕ちてゆく僕ら−厨二ノ世界− ( No.11 )
- 日時: 2014/09/04 17:51
- 名前: ヨモツカミ (ID: cqAdOZIU)
「しかし、極普通でいられたのは、中学生になるまでの話だ。俺がなんとなくやった行為が、世界を救い、そして、終焉の獣を封じる鍵となった。そう、この左手には、終焉の獣、レヴィアタンが眠っている!」
長谷川君は、左手を右手で押さえて、続ける。
「コイツを身体に宿す事で、俺は、人にはない力を手に入れた。それはもう、人として生きることはできないと言う事だ。人じゃなくなった俺は、世界を救う為に戦い続けた。そしていつしか救世主(メシア)と、呼ばれるようになった」
「た、大変だったんだね……」
僕がそう言うと、長谷川君は、微笑し「昔の事さ……世界はもう、平和だからな」と言った。
「さて。昔話も済んだところだし、ラグナロクの話をしましょう」
アルテミスさんが、真剣な顔つきで言った。
いや、ラグナロクってなんだよ。
わけの分からないまま、二人で話し合いを進めていく。
「今回のラグナロクは、この学校だ。それも、丑の刻頃のな」
「ふうん。三人いるから、やっと出来るってことね」
「そういうことだ。七度目のラグナロクは——」
長谷川君は、短くなったチョークで、黒板に何かを書き綴っていく。英文のようだ。
黒板には『test of courage』と、細い線で書かれた。直訳すると、勇気試し。つまり、肝試しのことだ。
「え。ラグナロクって肝試しのことだったの?」
僕が尋ねると、アルテミスさんが声を荒げて言った。
「かっこ悪いから肝試しとか呼ばないで! あと、ラグナロクって言うのは、部活動の事よ!」
「そ、そうなんですか……」
部活動で、肝試しをやると言う事か。厨二病同好会って、結局なんなんだろう。遊ぶだけの部活なのか。
なんだかよく分からないが、僕は部活動にも加入し、よい高校生活がスタートできそうだ。
2話 完
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