複雑・ファジー小説
- Re: 太陽天使隊 ( No.33 )
- 日時: 2014/09/24 09:22
- 名前: スクランブルエッグ (ID: CMSJHimU)
アリエスside
能力者の世界1を決める大会、そのベスト8が、この試合で決まる。
あたしは、今日最後の試合と言う事もあって、朝から調整を整えて試合に挑もうとしていた。
が、よりによって、その対戦相手のヨハネス=シュークリームという、美味しそうな名前の子がいつまで立っても現れない。
5分経ち、10分経過し、15分待っても、彼は一向に現れない。次第にあたしだけでなく、観客も不満を募らせ始めた。
このままだと、ほぼ間違いなく棄権と見なされ、あたしの不戦勝が決まってしまう。できれば闘って勝負を決めたかったところだけど、彼が現れないんだから、しょうがないか…
そう思った、その時だった。
「すみません、遅れてしまいました!」
その声と共にステージに上がってきたのは、腰まである長い金髪に碧眼、茶色いチェック柄のインバネスコートに探偵帽子、白手袋に身を包んだ、女の子と思えるほど可愛い男の子だった。
「すみません、遅れてしまって。前の試合が終わるまでずっとレストランで食事を取っていたものですから」
その言葉に私はあきれ返った。もし、彼がずっと食事を取り続けていたとすると、試合に差し支えるはず。つまり、これはあたしに好都合な話だった。
「理由はわかったから、さっさと勝負を始めましょう」
「それがいいですね」
彼はニコッと微笑んだかと思うと、試合開始のゴングが鳴ったその刹那、信じられないほどのスピードで急接近すると、あたしの首筋に逆水平チョップを見舞った。あまりの速さと、その威力に吹き飛ばされて後退する。
けれど、あたしもこれでも仮に本選出場者だ。早速拳を固めて反撃に移る。あたしの拳を受け流すと、彼はハイキックを放ってきた。それを同じくハイキックで応戦する。続けて空手チョップを撃ってきたため、これを受け止め、彼を放り投げる。
しかし彼は、上空でクルリと一回転し、まるでサーカスの曲芸師のような軽業で着地してしまった。
この子、見かけによらず、相当強い。
「アリエスさん、そろそろ武器を使って攻撃してみてはいかがでしょうか」
「あんた、それでもいいの?」
「もちろんです」
彼は爽やかな笑顔を向ける。
「それじゃあ、あんたの言葉に甘える事にするわね」
あたしは自慢のロングソードを引き抜いて、彼に猛攻を開始した。
☆
ヨハネスside
アリエスさん。彼女は、肩甲骨付近まで青い髪が伸びていて、目も青で、上半身は常に裸でFカップはありそうな胸に晒をしているだけと言う、思わずこちらが真っ赤になってしまうほど、露出度の多い服を着ていました。下半身にはジーパンを履いていますが、それでも露出が目立つのには変わりありません。
それにしても、困りました。
僕の能力は右手を炎を纏った刀状に変えて、相手を斬る能力なのですが、もし、彼女の晒を斬ってしまえば、それこそ大問題になってしまうでしょう。
しかも彼女は、能力を無効化する能力の持ち主。
全てとは言えないまでも、一部を無効化するとなれば、どうしても僕の能力の威力は半減してしまう。
もしかすると、彼女こそ、本大会の優勝候補の筆頭なのではないでしょうか?
そんな事を思案しながら、冷静に彼女の打倒策を編み出そうと頭を回転させます。
今判明しているのは、能力の勝負では分が悪いと言う事です。それならば、ひたすら攻撃させて、それを必要最小限度の動きで回避して、敵の疲労を蓄積させて見てはどうだろうか…
彼女の武器は、銃などの飛び道具ではなく、騎士道物語などでもお馴染みのロングソード、つまり彼女は中距離から至近距離での戦闘が主。
そこをついてうまく反撃することができれば、この試合は僕が勝利できるはずです!
そこで僕は、彼女にこんなことを言いました。
「アリエスさん、そろそろ武器を使って攻撃してみてはいかがでしょうか」
彼女はそれにうまくはまり、僕にロングソードで攻撃を開始しました。
アリエスさんが攻撃を開始して20分が経過した頃、さずがの彼女にも疲れの色が見えてきましたので、僕はその隙を突いてメキシカンローリングクラッチホールドでフォールを奪い、見事、ベスト8に進出しました。試合が終わるとアリエスさんは僕に握手を求め、
「ヨハネス、あんた強いな〜。このあたしの作戦負けだな。あたしを倒してベスト8まで勝ち上がったんだから、すぐに負けたらしょうちしないよ!」
僕は彼女の分まで闘う事を決意しました。
次なる目標は、打倒軽井沢くんです。
