複雑・ファジー小説

Re: 愛と正義の交響曲(元わかりあうための闘い) ( No.48 )
日時: 2014/09/28 18:21
名前: スクランブルエッグ (ID: EhAHi04g)

ヨハネスside

僕は野性的に吠えて、敵である軽井沢くんにタックルをお見舞いします。彼は盛大に吹き飛び倒れ伏しますが、すぐに立ち上がり、ファインティングポーズの構えを取りますと、僕に蹴りを撃ってきました。
それを見切って避け、彼の背後に回ると、アトミックドロップを敢行し、続けてバックドロップとジャーマンスープレックスを連続できめて、そこからジャパニーズレッグロールクラッチホールドに繋げてフォールを奪いに行きます。
ですが、彼はそれを切り返して、上空へ飛んだ僕に対してまるで鎌のような蹴りで追撃をしかけます。

「グッ…!」

それが脇腹に命中したため、思わず苦痛の声をあげます。
そのまま僕と彼は着地します。

「どうして、きみは僕と闘うの?」
「きみの心を救いたいから」

簡潔に答えて、僕は能力を発動させ、彼の作り出した氷の壁を切断。
そしてそのまま彼に斬り込みますが、彼は氷の剣で僕のブランデンブルクの赤い噴水を受け止めます。

「トリニティさんも、きみとおんなじこと言ってた。救うってどういうことなの?」

互いに剣で打ち合いながらも、話を続けます。

「今はそれに答えることはできない。目が覚めたら、教えてあげるね」

僕は能力の熱量で一気に彼の氷の剣を溶かし、彼の横を駆け抜けました。彼は文字通り、噴水のように大量の血を噴出した後、撃沈して気を失ってしまいました。



軽井沢くんが目を覚ましたのは、それから30分後、医務室のベットの上でした。

「僕は一体何をしていたの?」

少しあどけない顔で彼が訊ねたので、僕はホッとして今までの経緯を話します。彼は最初は頷いて話を聞いていましたが、次第に瞳に涙が溢れ、彼は泣きだしてしまいました。

「ごめんね…みんな、ごめんねぇっ…!」

彼は嗚咽や過呼吸になりながらも、今は天国にいる仲間たちに謝罪しました。本来ならば、彼は自分でも気づかないうちに操られていただけなので、罪はないのですが、それでも彼は仲間の命を奪ったということに対して、自分を責めているのです。
僕はそんな彼を見て、いてもたってもいられずに、立ち上がって、彼を優しく抱きしめました。

「大丈夫。そんなに自分を責めないで、軽井沢くん」
「でも…っ!」
「約束する。もし、僕が優勝したら、みんなを生き返らせてもらえるようにしてもらうよ」
「ほんとに!?」
「うん、本当だよ。約束♪」

僕は彼と指切りげんまんをして、医務室を出ました。
そして、試合が終わったので帰ろうと、スタジアムを出ると、そこには、体育座りをして、何やらとても落ち込んだ様子のスターさんと、それを心配そうな顔つきで見ているラグくんがいました。



「どうしたんですか」

僕が声をかけますと、彼は数センチ飛び上がって振り向きました。

「びっくりしたぁ…ってヨハネスくん!ちょうどいいところに会ったね!」

彼は先ほどまでのどんよりした空気とは一変、ぱあっと瞳を輝かせ、いきなり僕をぎゅっと抱きしめました。

「愛してるよ、私の可愛い天使!」
「わっ!?ちょっと、何するんですか、恥ずかしいですよ!」
「ご主人様、ヨハネス様を離してください!」

ラグくんが慌てて引き離しますと、彼はいつものように快活に笑って、

「いやぁ申し訳ないね。最近きみに会っていなかったものだから、嬉しくて嬉しくて…」
「1か月前に会ったばかりでしょ」

僕がツッコミを入れますと、彼は「まあね」と軽く返します。

「それで、どうしたんですか、こんなところで?試合は観戦しないんですか」

すると彼は再び悲しそうな顔になって、盛大にため息をつき、体育座りをしました。
これでは話になりませんので、ラグくんにどうしてこうなったか訊ねますと、彼は丁寧に説明してくれました。