複雑・ファジー小説
- Re: 或る国の僕と君と…【コメ募集】 ( No.11 )
- 日時: 2014/09/25 07:51
- 名前: 姫音桜子 (ID: 7TW18VFI)
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「何を着ても似合うね」
温かな大きな優しい手が私の小さな
幼い頃の頭を優しく撫でる
温かな手は母親だった
いつ思い出しても優しそうな顔…
気持ちがいい…身体が軽い
これは夢なのだろうか?…そうに違いない
これは小さい頃の思い出
「お母様、私もお洋服が欲しい…」
お母さんの洋服の裾をつかみながら
拗ねている妹がいた
いつ思い出しても可愛いなとしみじみする
「アネットのぶんは今作っているわ」
ぱあっと見たこともないほどの輝かしい顔で
妹は「やったー」と踊る
「これでお揃いだね」
幼い頃の私は妹に手を差し伸べて一緒に踊った
それは初雪の降る使い古したあの家での思い出
家族三人で過ごした思い出…
楽しくてにやけてしまいそう…
これは夢だけれども…
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「おーい、アンバーちゃん?」
私の顔をのぞき込むのはハーマン
しばらくうとうとして間が空いた
状況理解を再生する
今状況を理解した
無意識に指で三角を書いて
魔力をハーマンに飛ばして勢いよくハーマンが
ぶっ飛ぶ
「うぐっっ」
ハーマンは痛そうだ
「ご、ごめん」
「…いいですよアンバー殿こいつを飛ばす以上に殺ったて構いませんよ。みんな逆に助かりますよ」
「そいつ、さっきからお前の寝てる隙に胸ジロジロ見てたぞ…」酷い言われようのハーマン
「え、じ、ジロジロなんてー」
誤魔化して笑うハーマン、図星なのか?
「…あはは」とりあえず、どっちの味方と言われるのが面倒なので怖い笑みを浮かべた
三人は黙って寝たふりをする
酪農家の牛乳を運ぶ馬車の中
石ころがたくさんある道を進んでいる
ので ガタンガタン揺れる
寝たふりをした三人は本当に寝たようにみえた
私はじっと、空を見上げる
きっと、この中の人達は言えない過去だってあるんだよね魔女のことばっかりで旅に出たわけじゃない
「……過去の記憶か…」
こっそり呟く