複雑・ファジー小説
- Re: 或る国の僕と君と…【コメ募集】 ( No.12 )
- 日時: 2014/09/27 14:54
- 名前: 姫音桜子 (ID: 7TW18VFI)
馬車が急に止まる。蹄がリズムよく
パカン…パカン止まる、馬はヒヒィーンと
驚いた鳴き方をする
「ついたわよー」
牛乳を運ぶための馬車に乗せてくれた
おばさんが元気良く、私たちに呼びかける
「みんな…起きて…」
うっとりと眠気が残っていても我慢して
仲良しこよしで肩を寄り添って寝ている
魔法使い3人を起こすが、みんな深い眠りに
ついていたので仕方なく、指で円を描いて
彼らを魔法で軽く揺さぶる
「「むにゃむにゃ」」
エラとハーマンは同時に意味もわからないことを
口の中で呟く、カミルは相変わらず無言
「……起きろ…ごらあ…」
眠気を我慢しているのにどうして君らは気持ち良さそうに寝ているんだ…と、少し意味が小さい理由で
不機嫌になる。まあ、寝起きの私はいつも不機嫌だが
私は3人の手を魔法で操り
3人の頬を3人の手を操って自ら叩くような形で
起こす
「「な、なになに!?」」
本当に仲がいいなと思うほどエラとハーマンは
同時に驚く
「「真似するな!まな板・変質者」」
またもや同時にお互いに文句をいう
カミルは静かに伸びをして起きる
「魔法使いさんたちー?大丈夫かい?」
農家のおばさんが心配になり声をかける
「大丈夫でーす、すぐ下りますー」
大丈夫なのでしょうかと逆に聴きたくなるくらい
だが、一応答える
荷物を背負って、目をこする
「ありがとうございました」
とおばさんにお礼をしながら馬車を下りる
おばさんはいいのよーいいのよーと手をあっちこっちへ
動かせながら照れくさそうにいう
きっと、仕草なのだろうか。気になるなあの手の動き
「行こうぜ」
カミルが無表情で先を歩く
「待ってよー」と残りの私達が追いかける
畑が広がる、鳥が歌を歌っていた
ここに魔女の情報は本当にあるのだろうか
カミルからはここは魔女の故郷だと聞いたが
しばらく風のよく通る畑の横の道を歩いていると
おじいさんが倒れていた
慌てて駆けつける
「大丈夫ですか!?」
声をかけるとおじいさんが苦しそうに
「うう…水を…水を…」
水分不足なのかと理解して エラが
「これ、お水です!」
鞄から急いでお水を出して渡す
私はおじいさんの首を手で支えながら
飲みやすいようにする
「…助かった…ありがとうございます…」
さっきよりは顔色が良くなったおじいさんが
ゆっくり立ち上がる
「デビン・パーカーです」
微笑んで自己紹介をするおじいさん
すると、カミルが驚いた顔をする
「…もしかして」