複雑・ファジー小説

Re: 或る国の僕と君と…【コメ募集】 ( No.13 )
日時: 2014/09/27 20:20
名前: 姫音桜子 (ID: 7TW18VFI)

息を飲み込みカミルは驚きを隠しきれない
前にはボロボロの服をきたおじいさん

何事なのかと頭が"?"で埋め尽くされる

「もしかして…リディアーヌ・パーカーの…?」
カミルが口に出したのは知らない女の人の名前…

おじさんは目を丸くし、なぜ知っているのだ
という顔をする。相変わらず理解不可能のエラとハーマンと私。

「どういうことなんだい?」
やっと理解不可能の中からハーマンが質問してくれた
「…魔女だ…魔女の父親」
重たそうな口でいうカミル

うそ、こんな偶然…助けた人間が魔女の…
「ってか、お前ら。前に情報収集で情報をくれた人が教えたことだろ…逆に知らない方が理解不可能だ」
まったく頭悪い奴らだなとカミルの視線が言っている
すみませんでした、今後情報頭に叩きつけます!
という視線をカミルに向ける 頭悪い奴ら。

「…助けてもらって…なんなんですが…あいつのことはなにもしらん…知ってても教えるわけないがね」
さっきまで微笑んで自己紹介したおじいさんが
なんだか別人のように素っ気ない態度でいう

「殺さるってのに、心配ぐらいしとけよ」
と、カミルは背を向けて去ろうとする
「ちょっと、待ってよ!またそうやって先に行こうとしないでってば」それを追いかけようと3人で追いかける

「待て!殺されるってどういうことだ!」
必死な声が後ろからやってくる

後ろを振り向こうとしたその時

バタンッ−

おじいさんがまた倒れた

「おじいさん!またですか!」
「ちょ、大丈夫かよ!」
みんなが慌てて駆けつける

「…ごめんよ…あまり大きな声を出すなと医者から言われてるが…はは…つい…」
汗を出しながらまた、苦しそうにいう

「あの、お家どこですか帰りましょう!」
私が案を出すとおじいさんが頷く
「ちょっと、カミル殿がおぶってくださいね!こうなったのもカミル殿のせいなのですから!」
「…なんで俺が…」
エラは小さいながらもヒールの履いた足でカミルの足を潰す「いってええーっ」
いつもは無表情なのに思わず悲鳴をあげるカミル
「じいちゃんに優しくしろと言われたことないんか冷たいクソ男だなごらあああ」
いつもは丁寧語なのにまた崩れるエラ
「…わかったよ…ったく」

仕方なく大きな背を下げて
おんぶをする体勢になるカミル

「すまないな…仲間にまで怒られてじいさんおぶるなんて…本当は女の子とかをおぶりたい年頃なのにな」
体調が良くなさそうなのに冗談をいいながら背中に乗るおじいちゃん

「女には興味ねえよ じじい」
おじいちゃんをおぶる
「じゃあ、じいさんに興味があるのか?」
あははと大笑いするおじいちゃん

「冗談ウケねえから、黙れじいさん」
呆れた顔をまたする

おんぶされながら道を案内された
おじいちゃんの家は小さな小屋のようなものだった
あの森でかつてリディアーヌという魔女が使っていた家と同じ色の…結局は燃やしてしまったけど…

鍵はかけていなかった
中は大きなテーブルとベッドが2つ
窓の横には可愛らしい百合の花が花瓶と家族の写真が飾られている

「ここで一人暮らしされてるんですか?」
エラは首を傾げておじいちゃんに聞く
「ああ、妻は昔、病で亡くなっている…ごほっごほっ…次にやわしかもな…ははっ」
「縁起でもないこと言わないでくださいよ、おじいちゃん」ハーマンは苦笑い気味にツッコミ

「…少しだけなら、話してやってもいいけどな…」
おじいちゃんは切ない目を向けながら私たちを見る