複雑・ファジー小説
- Re: 或る国の僕と君と… ( No.7 )
- 日時: 2014/09/23 14:07
- 名前: 姫音桜子 (ID: 7TW18VFI)
2章 大森の國
西の国を出発して西の国の隣の国の酒場で
ハーマン・ウィルソンという男と出会い
旅について行くことになった。
が、この男はましな奴じゃなかった
一日中話しかけてくるし、会話が途切れると
胸の話をやたらする変人だったのだ
初めは相手をしてやっていたが、段々面倒になって
彼が独り言を言っているように見える
森の眩しい太陽の攻撃と変人攻撃で倒れそうになる
「いい加減にしてください、変人さん…もう話聞き飽きました…もう黙ってください」
我慢の限界を感じたエラは苦しそうにいう
「アンタ、新種の呪文魔法なのか…お前の話を聞いてると疲れる」低いたくましい声でカミルは訴える
「お前らの文句は嫌だ。アンバーちゃんの文句が聞きたいなあー?」にこにこ眩しい笑顔をこちらに向けて
文句をくれという目をする変人
こいつ、とことん変人だ。
名前に変人と付けてもいいくらいに
「いいから、黙れ変人」
お望み通り変人に文句をいうとうっとり満足そうに
変人は黙る
もしや…この人…いわゆる…どMという奴か…?
本で少し読んだことがあるが、痛みや悪口を言うと
喜ぶ生物…なるほど…どMか…
じーっと興味深くハーマンを見る
ほほう…どM…
「なになに?蹴りたい?いいよ!」
眩いキラキラしたオーラを出すハーマン
こ、これが、どMというやつなのね!!
「っきもちわるいですね、変態変人さん」
ゴミを見る目でエラはハーマンを見つめる
「お前に蹴られたくない、胸無しには」
こちらもカスを見る目でハーマンはエラを見つめる
ピリピリする空気がトラック100台分のようで
重くて耐えきれない
(※この時代にトラックはありません)
「お前ら。目的地に着いたぞ」
無表情でカミルは言う、ああ救世主よ
「ありがとうございます、カミル様」
思わず感謝する。何言ってんだこいつと相変わらず冷たい顔をするカミル
森の木の上を見上げると小屋があった
木の下を見ると草で隠してあるがはしごがあった
「はしごか…だが、危ないな…古いし…」
カミルがつぶやくと私は
「私の魔法を忘れたのかしら?者を操れるから」
使い古したかばんから杖を出して、杖を数回、回す
3人を魔法の光で包み込み宙に浮かせる
「アンバーちゃんかっこいー」
「うわああーアンバー殿すごーい!」
「…なるほど」
杖をゆっくり動かすと3人とも杖の先へ飛ぶ
そして、杖を小屋の入口に動かすと3人も入口へ飛ぶ
杖をゆっくり下に下げて3人を下ろす
「私も…よいしょ」
杖をまた数回、回し自分を魔法の光で包み込み
杖をゆっくり入口に飛ばせ自分を下ろす
「こっからは、危険だから警戒しろよ」
空気を入れ替えてカミルはみんなにいう
小屋の上では風が涼しく小鳥の声が響く
警戒なんてしなくてもいいくらいに落ち着く
カミルは小屋のドアを足でワイルドに蹴って壊す
「ちょ、乱暴ですよ!カミル殿!」
目を丸くしてエラは驚く
「カミルくん肉食系かっこいいー」
ふざけた口調でハーマンは笑いながらいう
いつもの冷たい視線で2人を睨みカミルは
「言ったはずだ、警戒しろ」
2人は黙って慌てて頷く
私も言われている気がして頷こうとした