複雑・ファジー小説

Re: STORM[オリキャラ募集中] ( No.26 )
日時: 2014/11/08 16:15
名前: ブラッドオレンジ (ID: LTdV0xGg)

STORMに所属する隊員の中には、四つのカテゴリーがある。
超能力を駆使し戦う『サイキック』。
優れた身体能力やメカニックが武器の『ソルジャー』。
半獣や獣人などといった、人以外の生物の野性的な力を持つ『ワイルド』。
妖や天使・悪魔、さらには魔法使いといった単純な科学では解明できない『ミスティック』。
これらの判別は難しく、中には二つ三つのカテゴリーに分類される者もいる。
特に『サイキック』と『ミスティック』の分類の仕方は曖昧だ。
シャドウフェイスこと道郎と大地は『サイキック』に属する。
鈴音や汐は『ソルジャー』、彦は『ワイルド』である。
STORMには階級による格差はないが、しかしこういったカテゴリーによる優劣は存在していて、一番一般人に近いソルジャーの人間はそれを気にする事が多いようだ。

九重 汐もその一人である。
彼は生まれついての普通の人間だった。育った環境も特に他の子供と変わらなかったし、親もただの一般市民だった。
汐自身は他より動体視力が良かったり視野が広かったりしたが、それも能力と言えるほどではない。
だが、正義の心が昔から人一倍強かった。
STORMに入隊したのも、その暑すぎる正義感を買われてである。同時に年相応に悔しがりやでもあり、ただの『兵士』である自分と『超能力者』達との間にある壁に唇を噛む日々を送っている。
しかし、汐はそこで終わる人間ではない。
その悔しさをバネに、今まで他の隊員の倍以上は努力してきた。
多くの命を守れるよう、多くの悪と戦えるよう——。

「くっ…」
壁に手をつきながら体を起こすと、汐は冷静になるために深呼吸を一つした。
道郎は——シャドウフェイスは悠長にもそれが終わるのを待っている。
実は汐には、勝算など無かった。
だが、一撃でも相手に当てる事が出来たなら——出来たなら何かが変われる。そう思い、相手に道郎を選んだ。
(ここでへばる訳には、いかないッ!)