複雑・ファジー小説

Re: STORM[オリキャラ募集中] ( No.27 )
日時: 2014/11/12 23:02
名前: ブラッドオレンジ (ID: LTdV0xGg)

汐は2丁拳銃を抜き、交互に撃ちながら道郎の元へと走りながら向かう。
道郎は、弾ける銃弾はナイフで弾き、他は全部避けるといった余裕が見える行動をとっていた。
道郎と数センチの距離まで近づくと、汐は使用済みの弾倉を取り外し、胸部に取り付けていた換えの弾倉を空中へと弾いて飛ばした。
「!」
道郎は、一瞬だがそこに気を奪われる。
そこを突こうとして、汐は回し蹴りを放つが、道郎はそれを難なく躱す。
回し蹴りの勢いで後ろを向くと同時に、落ちてきた弾倉を拳銃にセットする。
一回転し、再び道郎の方を向き直る。やはりただ撃つだけでは道郎は倒せない。とりあえず撃ち続けながら汐は考える。
(攻撃を当てるには…)
隙などあってないような事で有名なシャドウフェイス相手には、汐のようなソルジャーではかすり傷を与えるのも難しい。それは承知の上だ。
だが、かといって彼も無敵ではない。
隙が無いなら作ればいい。汐は闘志を燃やす一方で、冷静に相手に勝つ方法を導きだそうともしていた。
彼は両手に持っていた拳銃の片方を仕舞うと、太ももにつけていた数個の煙幕弾を抜く。さすがSTORM製といったところか、通常の倍の料の煙が立ちこめる。
「…」
視界は遮られたが、道郎は落ち着いている。
汐は黒色の煙に紛れ、感覚だけで道郎の位置を悟る。拳銃を構え、とにかく一撃、一撃を当てる事に全神経を集中させた。
その次の瞬間だった。
今まで前方にあった道郎の気配が突然として消えた。思わず汐は声を漏らしそうになる。銃を構えながら周囲を探るが、いっこうに道郎を見つける事は出来ない。
(そんな、どこに!?)
おずおずと後退する汐の背後から、腕がスッと伸び、彼の首を絞めにかかった。
「ッ!!」
「がんばった方だが、しかし、煙ごときじゃあな」
汐はなんとか腕を振りほどこうともがき、やがて拘束から解き放たれ、勢いあまり床へと倒れる。
頭を打ち付け、クラクラと定まらない視界に、確かに道郎の姿を映した。
だが、その顔は——。