複雑・ファジー小説

Re: STORM[オリキャラ募集中] ( No.29 )
日時: 2014/11/24 22:56
名前: ブラッドオレンジ (ID: LTdV0xGg)

第二話『パラダイス00(前編)』

まるで異世界の竜の叫びでも聞かされるような、鋭いサイレンの音がSTORM日本支部のビル中に鳴り響く。もちろん、地下室にもだ。
建物内の空気が一気に張り詰めたものとなる。
「…これは」
大地は演習場内部から階段近くにある円柱型のスピーカーに意識を向ける。
『東京都新宿区方面にてクライシスの襲撃を確認!直ちに出動せよ!』
「あらら、面倒が起こっちゃいましたね」
まるで他人事かのように薫が言う。大地はまだ演習を続けているであろう二人に声をかけようとしたが、それと同時に演習場の入り口の扉が開く。
「あ、道郎!汐は?」
「鷹の目ならまだ中です」
それだけ言い残し、道郎は足早に地上へと向かった。
それを見送りながら、大地は仕方なさそうに肩をすくめる。
「まーた新人にトラウマ与えちゃって…」

STORM隊員の出撃というのは、基本的には部隊ごとに誰が出撃するか決められている。
だが、今回のような急襲や想定外の出来事に対しては、原則として支部に残っている全員が出撃とされている。
こういうことは稀にしか起こらないが、しかしSTORM隊員たちの対応は迅速だった。命令が出るなり各自出撃準備を整え、隊ごとに集合する。
集合場所は一階ロビーの奥にある転送室。ここにある転送機は、各地にある他の転送機へと隊員を送ることができる。しかし、多くのエネルギーを消費し、少ない人員しか運べないことから、使われる事はあまりない。
「第一部隊、到着いたしました」
一番乗りはシャドウフェイス率いる第一部隊だ。第一部隊には全部で10人いるが、今回そろったのは五人であった。
シャドウフェイス、イオ、そして『キメラ』こと岸原 誠、『レッドファング』こと漆原 聖子、『クラッシュエース』こと桐島 蓮助の五人である。
一人一人の覇気も相まって、すれ違う人の目を引く編成となっている。
彼らは第一部隊の中でも特に実力のある五人である。彼らがここに残っていたことは、STORMにとっては幸運なことであろう。