複雑・ファジー小説

Re: STORM[オリキャラ募集中] ( No.39 )
日時: 2014/11/18 23:23
名前: ブラッドオレンジ (ID: LTdV0xGg)

ビル内への侵入経路は、もちろん窓しかない。
誠の姿が窓に映し出されると、元々待ち構えていたのか、ビル内の兵士たちが一斉に機関銃で誠を撃ち落とそうとした。
だが、そんなものは誠に効かない。もとより体を弄くられたおかげで強度は通常の人間よりあるし、それに素早く動く誠には当たらない。
むしろ兵士たちは機関銃を撃つべきではなかった。
当たりもしない弾はただ窓の強度を下げるだけだ。
窓に多数のひびが入ったのを見て、誠はそこを目がけて勢いよく突進する。
そして高めのブーツで窓を蹴破り、いとも容易くビル内への侵入を達成してしまった。
「さ、着いたよ姉さん」
「ありがと」
誠の背中から飛び降り、鈴音は背中の日本刀を抜く。
「じゃあ始めましょうか」
武装した数人の兵士を前に、ひるむ事なく鈴音は襲いかかった。
まず目の前にいた兵士を斬り、返り血を浴びる前に次の一人のもとへ飛びかかる。
「うらぁっ!!」
相手の銃ごと体を貫くと、そのまま前進し、その後方に立っていた兵士をも巻き添えにする。
刀を抜くと、振り向き様に背後から迫ってきていた兵士の腕を切り落とす。
「あっ、あぁっ!」
「あら、ごめんあそばせ」
上品な言葉遣いに似合わぬ凶暴な笑みを浮かべながら、腕を切り落とした兵士の顔に柄で一撃を食らわせる。すぐに殺しはしなかったが、そのうち出血多量で死ぬだろう。

少し離れたところで戦闘をしていた誠は、翼にしていた腕を戻し、次は全身を硬い鱗で覆っていた。これで大抵の攻撃を防げると同時に、強力な武器となる。
「はぁっ!!」
体操選手顔負けのアクロバティックな動きで敵を翻弄し、そしてすれ違い様に腕を一振りしていく。それだけで兵士は気絶してしまうのだ。
「く、くっそ!化け物め!!」
兵士は本気で怯えた表情でひたすら機関銃を撃ち続ける。だが、先述したようにそれがどんな近距離であろうともかすり傷にもならない。
誠はゆっくりと兵士に近づき、彼の首根っこを掴んで軽く持ち上げた。
「ぐっ、ぐあぁ。うっ…」
「僕らが化け物なのは認めるけどね。本当に御愁傷様だよ、あなた達」
やがて兵士が泡を吹き始めると、床へおろしてやる。見た目はどうであろうと、やはり彼はその優しい一面を隠しきれていなかった。

こうして、STORMでも上位の実力を持つ姉弟は、相手の悲鳴と銃声をBGMに、あっという間に最上階を制圧した。
だが、人質の姿はどこにもなかったのだ。