PR
複雑・ファジー小説
- Re: STORM[オリキャラ募集中(味方3人 敵3人)] ( No.60 )
- 日時: 2014/11/29 00:45
- 名前: ブラッドオレンジ (ID: LTdV0xGg)
道郎と大地がいるトンカツ屋の斜め向かいにあるイタリアンレストラン。
そのガラス窓を突き破り廊下へ放り出されたのは、一人のクライシス兵だった。
たった一人に負わすには深すぎる傷が全身にあり、苦悶の表情を浮かべ何かから逃げるべく地面を這おうとしていた。
「おいおい、何逃げようとしてんだぁ?」
だが、それを許さない男が一人。
彼はナンバーことクウゴ・バァスデイという男で、大地と同じ部隊に所属する元死刑囚だ。
STORMにおいては犯罪者からの引き抜きというのも珍しくない。
赤い瞳と右手から垂れ下がっている鎖が、彼の危うさを表している。
クウゴは兵士の胴体を革靴で踏みつけ、その場から逃げられないようにする。
「まったく、こんなモンか?てめぇの実力はよぉ」
「う、うああああああああああ!!」
どっちが悪かまるで分からないほどに凶悪な笑みでクウゴは浮かべる。
「ま、いいや」
しかし、数秒後には彼の態度は豹変した。
足を退け、つまらないものを見る目で兵士を見下す。
「逃げてもいいぜ。ただし、五秒以内に俺の視界から消えなければ——」
クウゴは口角をつり上げ舌なめずりをする。
兵士は唖然として、すぐには体が動かなかった。
だが、クウゴが指折りをして数を数え始めると必死な顔をしてその場から逃げ始めた。
数m先の角を曲がれば、視界から消える事が出来る。
「いーち、にーぃ、さーん」
カウントダウンは止まらないが、それでもすぐに角を曲がれる算段があった。
「しーぃ」
あと一秒。曲がり角はもう手が届く距離だ。
「ご」
気づけば兵士は、五秒前と同じ床に伏した体制でクウゴの足下にいた。
「…? な、なんでっ!?」
「はい、失格」
クウゴは拳銃で容赦なく兵士を二度撃ち抜き、銃口からのぼる硝煙に息をフッと吹きかけ揺らした。
PR