複雑・ファジー小説

Re: STORM[オリキャラ募集中(味方2人 敵2人)] ( No.69 )
日時: 2014/12/05 23:54
名前: ブラッドオレンジ (ID: gE35uJOs)

第一部隊の支援に来た第二部隊のおかげで、四階のレストラン街は死屍累々としていた。
それぞれが相当な実力の持ち主なため、ものの数分で各店舗に配置されていた兵士たちを倒し、人質の解放を行った。
ただ、今外に出られては人質の命に関わるので、人質たちには店内に留まるよう指示している。

役目を終えた第二部隊が、大地のもとへと集まってきた。
どうやら今、第二部隊は隊長が不在なので大地が代わりを務めているらしい。
「よし、とりあえず全店舗制覇のようだな」
「なんだか、食べ歩きみたいですね、その言い方だと…」
一見すると女子のようにも見える長い髪の男が微妙な笑いを浮かべて突っ込む。
第二部隊の頭脳というべき人物、加賀美 亮二である。覚えやすい容姿をしているので、STORM内での知名度は高い。おまけに美少年である。
「ま、でもこれで終わりですよね。俺、帰っていいですか?」
「まだだ亮二。あと一つ、どでかい山が残ってる」
亮二はガックリと肩を落とす。
大地は携帯端末をポケットから取り出し、四階の地図を表示した。
どうやら大地が言う「どでかい山」とは、この先にあるフードコートの事らしい。
「ここにはクライシスが侵入した時点で、たくさんの客が居た。おそらく、そこに重点的に人質が集められているだろう」
「じゃあ、そこを攻略すれば、ミッションコンプリートで即帰宅、ですね!?」
「嬉しそうに言うな、お前は…」
清々しいまでに帰りたがる亮二に、もはや苦笑いを浮かべる大地。それほど扱いに慣れているのだろう。

大地の言うとおり、残りの人質はおそらくそこだ。最大の山場だろう。
不安なのは、敵陣もそれを見越して大本命の刺客を送り込んでくるのではないかという事だ。
もしかすると、幹部クラスが待ち受けていても可笑しくはない。
「大地さん」
道郎と同じ不安を抱いていたのか、大地は道郎が何か言う前に「わかってる」と答えた。
「聞いてくれ、皆。このフードコートには少数で乗り込む。俺と結城、亮二、それと…」
大地は集まった面々を見回し、その中から一人を指して手招きした。
「…私、ですか?」
怯えた表情で尋ねる少女。大地は彼女の顔を見て優しく首を縦に振る。
「そう。お前だ、天」