複雑・ファジー小説

Re: STORM[キャラ募集中(味方サイド 一人)] ( No.98 )
日時: 2014/12/21 00:19
名前: ブラッドオレンジ (ID: gE35uJOs)

大地の攻撃を皮切りに、STORM側もクライシス側も動き出した。

再び、蕎川の足元から黒い針が数発飛ぶ。
道郎、大地、天はそれを避け、大地が亮二の元へ、天がそれとは別の方向に走り出す。
「たぁっ!」
「!」
天がその小さな身体を投げ出すようにぶつけた相手は、亮二へと銃口を差し向けていたレーヴェンツだった。
筋肉質で、女性にしてはがっしりとした体つきのレーヴェンツだが、天のタックルに容易く体制を崩す。
今までノーマークだった天に動きを遮られ、なおレーヴェンツは冷静に対処する。標的を天に変え、引き金を引くが、天を傷つけるのを大地が許さなかった。
「天っ!」
大地は近くにあったテーブルを、レーヴェンツの元へ投げつける。
これにはレーヴェンツもそちらを先に対処するしかなく、遅いくる机をたった一発の蹴りで弾いてから、再び天の方に銃を向けた。

「やめてください!」
だが、大地の妨害の隙に距離を詰めていた天は、銃に臆する事なく、レーヴェンツの腕をとり、ひねりながら後ろへと回る。
「人の命を奪う武器は、私は受け付けませんっ」
「…知った事か!」
レーヴェンツは肘撃ちで天を突き放し、銃の全身を打ち付ける。
少し天との距離が出来たところで、再びPWDを構え直し、殺す気で撃った。
「——わぁっ!」
天は慌てて自分の近くにあった揚げ物専門店の店内に身を潜める。
普通に見れば、これは悪い判断だと言える。
こんな狭い調理場でレーヴェンツが火器をぶっ放せば、逃げ場はない。
だが、天があえてここに逃げ込んだのは、彼女が小回りの利く機敏な動きを得意としているからだ。
他の兵士より一回りも小さい天だが、しかしそれを理解して戦いに望んでいる。
彼女も、あくまでSTORMの一員であるということだ。

天の狙い通り、レーヴェンツは今度はハンドガンを携え乗り込んできた。
大地は現在、亮二の治療に当たっているし、道郎は他のクライシス兵を相手としている。
レーヴェンツは難易度で言えば上級の相手ではあるが、STORMの名を背負う戦士として、天は情けなく死ぬ気はなかった。