複雑・ファジー小説

Re: STORM[キャラ募集中(味方サイド 一人)] ( No.99 )
日時: 2014/12/25 22:28
名前: ブラッドオレンジ (ID: 4pf2GfZs)

一方その頃、天とは別に道郎は敵に攻撃を仕掛けていた。
狙うは一番の強敵と思われる蕎川。先手をとり、戦いを有利に進めたいところだった。

しかし、そうすれば別の誰かが動くのも、道郎には読めていた。
「!!」
目の前を通過する光の筋を、ギリギリで避ける道郎。
もちろん、予測済みだったからこその対応である。
「行かせないわ…」
道郎の行く手を阻んだのは、NOVAである。
彼女は自ら作り出した双剣を構え、わずかに笑みを浮かべている。
NOVAは蕎川を守ったように見えたが、しかし真の目的は別のところにあった。
「貴方に会ったあの日から、貴方の事を思わなかった日はないわ。…フフフ。自分でも笑ってしまうほど、私は貴方に毒されてるみたい」
NOVAの綺麗な瞳には、道郎しか映していなかった。
「おかしいわよね?貴方をとっても、殺したい、って思っているの」
「女たらしの趣味はないが…、責任とって殺してやる」

道郎はジャケットから銃を抜き、数発ぶちかます。
NOVAは銃弾などものともせずに、すべてを切り裂きノーダメージでやり過ごす。
だが、それが終わるとすぐに道郎がその懐に飛び込んできた。
「あら。積極的ね…」
一度双剣をしまい、道郎に向かって手をかざすNOVA。
その掌が光ると、道郎は身体を捻り、右足で回し蹴りを放つ。
NOVAの手の向きがずれ、発射された光弾は全く違う方向へと飛んでいった。
光弾を避ける事に成功しても、道郎は反撃の手を緩めなかった。

体制を整えようとするNOVAに対し、さらに蹴りを入れる。
一発は彼女の脇に当たったが、二発目は彼女が作り出した楯によって防がれた。
「チッ」
今度はその楯を利用し、後ろへと跳ねる道郎。
着地の寸前にNOVAが道郎目がけ楯を投げたが、道郎はそれを容易く跳ね返す。
「やっぱり貴方、最高よ…」
「そんなのより、私なんかどう?」
NOVAに答えたのは、明らかに道郎ではなく、声の主は横からNOVAに迫っていた。

再びNOVAが作り出した双剣と、一本のに本当がぶつかり合う。
「遅いぞ、イオ」
「そりゃ悪うござんした」
愛想のない返事を返す鈴音は、最上階での戦いの疲れを感じさせないほど笑顔だった。