複雑・ファジー小説
- Re: 機甲伝説 リヴォルツィオーネ 参照100突破有り難う ( No.17 )
- 日時: 2014/12/19 22:18
- 名前: あああ (ID: hgmprYrM)
Story15.傷痕
結城達がワイバーンに来て3日経った。
今のところ木星帝国軍の追撃も無く、結城達は平和(?)に過ごしてた。
智美は自室のシャワールームの鏡で、自分の裸体を眺めていた。
全身痣だらけの体。人工肛門、人工子宮。
このおぞましい自分の体を見るたびに、過去の辛い記憶が甦ってくる。
智美はシャワールームから出て、軍服に着替えた。
「よう、おはよう」ボブは部屋を出た智美に挨拶する。
「あらボブ、おはよう」智美は挨拶を返す。
その頃、結城達はワイバーンのクルー達と朝食を食べていた。
「ふ〜ん。江里口さんの過去?」とジョニー。
「はい。この前、訊いたんですけど教えてくれなくて」結城は言う。
「う〜ん。言って良いのかな〜?彼女、この事トラウマになってるし」
ジョニーは難しい顔で言う。結城は困惑した。
「何かあったんですか?」結城はジョニーに訊く。
「実は彼女、木帝の奴等に拐われた後、性奴隷にされたんだ」
ジョニーは言う。結城は思わず、手に持ってたスプーンを落とす。
「毎日木帝の奴等にレイプされて、全身痣だらけ、おまけに子宮も肛門も破壊され、今じゃ人工のものを使ってる」
ジョニーは話を続ける。結城は胸糞悪い気持ちになり、朝飯が進まなくなってしまった。ジョニーは察して話を止めた。
「ごめんごめん。食事中にこんな話をしちゃって」
ジョニーはお詫びを言う。
「あ、この事本人の前では言わないでね」
ジョニーは念を押して結城に言った。
許せない!と結城の心には怒りが溜まっていた。
「あ、吉田おはよう」
食堂に向かう途中の智美とバッタリ遭遇した。
「あ・・・お、おはよう・・・」
結城は言葉が詰まって、うまく挨拶ができなかった。
「ん?どしたの?」と智美。
「なんでもないよ」結城はそう言い、格納庫へ向かう。
「遅いぞ結城!!」と、格納庫の方からオーギの声が聞こえた。
格納庫ではもう、健吾達が機体のチェックをしていた。
アジャはリヴォルツィオーネのメンテナンスをしていた。
「なにしてんですか?」と結城は訊ねる。
「リヴォルツィオーネの傷をなおしてんだよ!」アジャは言う。
「ハデスは機体カラーが灰色だからゴミや傷が目立たないだろ?でもリヴォルツィオーネは赤色だからゴミや傷が目立つんだよ。ウチには16mもあるロボを全身塗りつぶせる程の塗料は無いからな」
「ふーん」結城は適当に相づちをする。
「ほーう。これで完成か?」
マックは永久回路を搭載したコンジェクチャーを見て呟く。
「はい。明日の夜にコンジェクチャーを使って奇襲攻撃を仕掛けます。念の為、ザムのVAS部隊を援護にまわします」
作戦担当の[ゲル・ベゴス]は説明する。
「ほほーう。先読みの力のお手並み拝見といこうかな?」
マックはニヤリと笑う。