複雑・ファジー小説

Re: 機甲伝説 リヴォルツィオーネ 参照200突破有り難う ( No.20 )
日時: 2014/12/25 09:08
名前: あああ (ID: hgmprYrM)

Story18.嵐を越えて

「ワイバーン、アクアモードへモードチェンジ!」
ワイバーンのブリッジにオペレーターの声が響く。
「以下、自動運転に入ります!!」
ワイバーンを自動運転モードに切り替えたら、オペレーターの[キーラ・エージュ]は大きく深呼吸した。
「ロシアに到着まで丸々一日掛かるんだよなあ〜。その間に、昨日の新型無人VASが来なきゃいいけど・・・・」
ザムは溜め息をつく。

「どうやっても行動が読まれるんだったら、対策の仕様がねえじゃないか!!」
アジャは苛ついて、模擬戦用のVRヘッドを投げ捨てた。
何やっても無駄だと悟った健吾達は諦めムードだった。
しかし、結城とアジャだけは諦めてはいなかった。
「奴は常に未来が見えているのか・・・、それとも発動時のみ未来が見えるのか・・・・。昨日の戦闘を分析するには前者の可能性が高いんだよなあ・・・」結城が必死に対策法を練っていると、後ろから、
「結城も一緒に飲もうぜ!!」とオーギが声をかけてきた。
いつコンジェクチャーに全滅されてもいいように、彼等は酒を飲み踊っていたのだ。結城は頭を抱える。

「きゃああああ!!!」ワイバーンの甲板に智美の悲鳴が響く。
「あはははは!!一度船の甲板を全裸で走ってみたかったんだ!」
ボブとチェンは全裸で甲板の上ではしゃぎまくる。
「なんなのよぉ!!洗濯物干してんだからどっか行って!!」
「智美ちゃんもどうだーい?気持ち良いよ!!」とボブ。
「この俗物め!!」智美はボブの顔に回し蹴りを喰らわす。
「あ、雨だ」とチェン。「本当だ」ボブは空を見上げる。
「こりゃ嵐になるな。そうだ!!嵐の中、甲板を全裸で駆け回るのも良いかもしれん!!」チェンはボブに提案する。ボブは頷く。
「やだ!洗濯物濡れちゃう!!」智美は洗濯物を回収して撤収する。

「なんだよ話って・・・」健吾は言う。
「皆、一つ聞いて欲しい事があるんだ」結城はノートパソコンを立ち上げる。アジャはパソコンをテレビに繋げて、皆が見えるようにした。
「新型無人VASの事かよ。俺達は戦う気は無いぜ」とオーギ。
「皆諦めないで欲しい。奴に勝てるかもしれないチャンスなんだ!」
アジャは帰ろうとする健吾達を呼び止めた。
「アイツに・・・勝てる?」健吾は振り向く。
「私が詳しく説明しましょう」山田が説明をし始める。
「あの新型VASの未来予測能力の詳細を、以前の戦闘から解析した結果、あのVASは約5秒後の未来しか予測できないようです」
「6秒後の未来を俺達が予測しろっつーのかよ」と健吾。
「いいえ。それよりも簡単に、アイツを倒せるかもしれません」
山田はメガネをクイッとさせる。

「永久回路の調整は終了しました。これで出撃可能です」
整備員がザムに報告する。
「ようし!!今日の深夜に出撃するぞ!!」とザム。
「はい!!」フォスはケルベロスの整備を急がせる。

「やってみる価値あるよな」健吾は言う。
「やってやるさ。俺達に越えられない嵐は無いぜ」とボブ。
「皆・・・有り難う」結城は健吾達に感謝する。