複雑・ファジー小説

Re: world この世界の為に (1−5) 一面 ( No.6 )
日時: 2015/06/07 17:22
名前: クエン酸Na (ID: AwgGnLCM)


 ハルツの服装はいつの間にか旅の装いになっていた。
ザードは初めから旅装なのでぼーっと空を見ていた。

 「ザード、ぼうっとしてないで早く来てください。」

……いつの間にか降りていたハルツは、中々降りてこないザードに向かって叫んだ。

開きっぱなしのドアから香草の香りが外に流れ、ザードは我に返った。


 「お、おう!……ちょっと待ちやがれ!!」


置いていかれていることに気づいて、狼狽える。
結果、ザードがとった行動は・・・テーブルの上のリコチのクッキーを鞄に詰め込むことだった。

 ザードは木から降りるためにツタに手をかける。
登る時もだったが、刺が手に刺さる。あの少女・・・ハルツもこの痛みを感じていると思うと、複雑な気分だった。

———いてぇ・・・

ザードは笑った。

 「ハルツ!!木から離れろよ?」
 「ザード…じゃなくてロリコン、理由は・・・・・・・・・」



        トンッ


———木から飛び降りるからだよ!!


ふわっと浮く。今俺は重力に反している…っぽいw

そして次にザードはこの星に引っ張られた。
空気の抵抗と、冷たい風が気持ちいい。


 「と、とと投身自殺ぅッ!?」


驚いて叫ぶハルツ。
ザードはその様子を見てにやけながら楽々着地した。

 「・・・・・っ!!行きましょうッ!!」

ハルツは頬を紅潮させた。
クールぶってる分、恥ずかしさも倍なのだろう。

背を向け、進み始めるハルツに、ザードは無言でついて行った。

続く。