複雑・ファジー小説

Re: 変態紳士と美少年助手の愉快な毎日 ( No.10 )
日時: 2014/12/14 19:32
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

「あなたはもしかして闇野髑髏さんじゃありませんか?」

不意に彼に訊ねたのは、ほかならぬシナモン博士だった。彼は負けたストレスの発散にとジョギングをしており、その途中で彼を発見したのだった。

「博士、私もあなたに会えて光栄です。ジョギングをしていて、その途中で私を見つけ、世間話をするついでに、私にフレンチ君に対抗するために格闘技を教えてほしいとお願いしにきたのですね」

彼は人間であっても年長者であれば、敬語で話す事にしていた。
そこに彼の紳士的な性格を見る事ができる。

「すごい、よくわかりましたね」
「偶然ですよ。そうだ、そろそろお昼も近いですし、一緒にお昼ご飯でも食べに行きませんか?」
「それはいいですね」

そういう訳で、ふたりはランチを取りながら話をする事にした。



彼らふたりは、食堂へ入った。彼らは向かい合って座り、髑髏は天ぷらそばと牛乳、博士は天ぷらうどんとオレンジジュースを注文した。
注文し終わった後、髑髏は手を組み、目の前の博士を穏やかな表情で見つめ、ゆっくりと口を開いた。

「あなたがフレンチ君に勝ちたい理由は、ハニー君に甘えたいからですね」
「恥ずかしながら、お察しの通りです」
「そうですか……ひとつ、お訊ねしますが、ハニー君に甘えたいのでしたら、フレンチ君と闘う必要はなく、彼に頼んでみてはいかがでしょうか」
彼の意見を聞いた博士は唸って腕を組む、
「でも、それではフレンチ君も同じように彼に頼むのではないでしょうか」
「フフッ……ではどうでしょう、これから彼に癒されたい時は、ふたりでじゃんけんをして順番を決めるのです。そうすれば、無駄な争いをしなくて済みますよ」
「おお、それは素晴らしい名案だ。ご協力感謝しますよ」
「いえ、私は何もやってはいません。ただ、ヒントを与えただけです。あなたはご自分でその答えを見つけだした。ですから、私にお礼を言う必要などありませんよ」

彼は穏やかに微笑み、運ばれてきた天ぷらそばを美味しそうに食べ始めた。