複雑・ファジー小説

Re: 変態紳士と美少年助手の愉快な毎日 ( No.105 )
日時: 2015/02/09 06:50
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

「博士、我儘言わないでくださいっ」
「そうだよぉ、フレンチ君の言う事聞いて、行こうよ博士」
「私は、何が何でも絶対に行かないぞ」

彼はイスに必死でしがみつき、抵抗する。

「そんな事しないで、早く行きますよっ」
「フレンチ君、頼むから私の服を掴んでいる手を離してくれないかね」
「嫌です。僕は何があっても離しませんっ」
「私の事はいいから、きみ達だけで行くんだ」
「そんな事、できるわけないでしょう!」
「いいから、行きたまえ!」
「でも——」
「ふたりで行きたまえ、歯医者さんなんて——」
「あなたの歯の磨き方を習いにいくんでしょう?」

今日は虫歯予防デー。
フレンチとハニーはしっかりと歯を磨いているため、虫歯ゼロの非常に白く美しい歯並びの歯をしていたが、博士の歯はまるで芸術品のような並び方をしているため、非常に歯磨きをしづらく、彼の歯を磨く係であるフレンチも日々悪戦苦闘している。そのため、いっその事歯医者さんに行って磨き方を教わってきたほうが早いというのである。

「近くの歯医者さんが今日は半額なんです。お得ですし、評判もいいみたいですから、言って損はありませんよ」
「しかし——」

だだをこねる博士に対し、フレンチは天使の微笑みで、

「歯医者さんに行ってくれたら、キスしてあげますよ」
「本当に!?」
「本当です」
「よし、ではすぐにでも出発しよう!」