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複雑・ファジー小説
- Re: 変態紳士と美少年助手の愉快な毎日 ( No.11 )
- 日時: 2014/12/14 19:01
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
「博士、あなたはフレンチ君の事が好きですね?」
食後の牛乳を飲みながら、髑髏は訊ねた。
「ええ、それがそのようなのです」
「あなたは美少年が大好きで、惚れやすい性格ですから、彼を好きになるのは無理もないお話です。しかしながら、彼を口説き落とすには、相当大変な事でしょう。なぜなら、彼はBLが大嫌いなのです」
「えっ——」
彼の言葉に、博士はハッとして顔を上げる。
「どうして私がそんな事を知っているのかと言いますと、それはひとえに、私が彼の所属しているスターレスリングジムのOBだからです。彼は、ある事がトラウマになり、それが原因で心の中に僅かなながらも闇を抱え込んでいます。それは今のところごく小さなものですが、いつそれが肥大化して暴走するかわかりません。ですから、手遅れになる前に彼の心の闇を解き放ち、彼の心を解放してあげた方が、よりあなたの愛を受け入れやすくなるでしょう。そして彼の闇の原因が何であるか、それは私の口からお話するより、あなたがご自分で彼にお訊ねになった方が効果的です」
「ありがとうございます。闇野さん」
「こんなアドバイスがお役に立てたのでしたら光栄です」
その時、彼の首の髑髏のネックレスが赤く光った。それを確認した彼は、
「どうやら、私の出番が来たようですね。あなたは家に帰ってテレビでも見ていてください。お食事の代金は私がお支払いいたしますので、ご安心ください」
彼は表が金、裏が赤のマントを虚空から出現させて羽織ると、フッと一瞬でどこへともなく消えてしまった。彼は一体どこへ行ってしまったのだろうか。
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