複雑・ファジー小説

Re: 変態紳士と美少年助手の愉快な毎日 ( No.18 )
日時: 2014/12/14 19:34
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

彼は夢の中で星空を眺めていた。
キラキラと輝く美しい星たちの輝きに心を奪われていると、高らかな笑い声と共に彼の隣に闇野髑髏が現れた。彼は穏やかに笑い、口を開く。

「——フレンチ君、きみはシナモン博士にキスされる夢に毎晩うなされているね」
「どうして、そんな事が分かるのですか?」
「私だからだよ」

身も蓋もない発言であるが、この時彼は髑髏の言葉に納得してしまった。
少しの沈黙の後、彼は再び語り始めた。

「きみは博士に夢の中でキスされた後、彼の顔が段々豚に変化していく夢を見て、その度に全身冷や汗をびっしょりとかいて飛び起きる。きみは豚肉に触れただけでじんましんが起きるほどの重度の豚肉アレルギーであるため、幼いころからじんましんを引き起こす元凶である豚を極端に恐れている」
「あなたの言う通りです、髑髏さん。僕は豚が怖い」

フレンチは少し伏し目がちになり、いつもより少し低い声で言った。
髑髏は体育座りをしている彼と目線を合わせるために、自身も大鎌を置いて体育座りをした。するとフレンチはそれを見て思わず吹き出してしまった。

「私が体育座りをするのがおかしいかね」
「はい、とっても。なんだか自然と笑顔になれます」
「フフッ、それはよかった。ところでフレンチ君、もう朝だ」

彼が立ち上がり、指さした方向を見てみると、迫力満点の赤い太陽が昇ってくるところだった。彼は紳士的にフレンチに手を差し伸べ立ち上がらせると、

「今日の夜から毎晩私が夢の中できみを守ってあげるから、大丈夫だよ。では、今日の夜にまた会おう」

その声と共に彼が消えると、それと同時に彼は目を覚ました。
彼は昨日の願い通り、いい夢を見る事ができ、スッキリと目を覚ます事ができた。
フレンチはもう一度目を閉じて、心の中でお礼を言った。

「髑髏さん、昨日はどうもありがとうございます」