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複雑・ファジー小説
- Re: シナフレ ( No.26 )
- 日時: 2014/12/13 20:37
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
「僕は観光で来たんだ。きみもハニーさんとそっちのおじさんと一緒に観光しに来たの?」
金髪をツインテールにして、猫のようなアーモンド形の緑の瞳と茶色の探偵帽子にインバネスコート、ぴちぴちした柔らかいもち肌が特徴の男の娘、ヨハネスはニコニコと微笑みながら、大きな瞳をキラキラと輝かせて、顎に手を当て考える仕草をする。
「面白いね。きみがどうして僕にだけは冷たく接するのか、気になるよ。さっきから僕の顔を見ようとしないところを見ると、きみは僕にかなりの苦手意識を感じているみたいだね」
「少し黙っていてくれませんか。食事がマズくなります」
「僕はただ、きみがどうしていつも僕をこんなに嫌っているのか気になるだけだよ。それに僕が話しているぐらいで料理の味が変わるなんてあり得ないよ」
「……」
「もしかして、あの日の事まだ怒ってるの?二か月前の事なのに。きみもまだまだ子どもだなぁ」
彼は怒りが限界に来たフレンチはガタンと音を立てて立ちあがり、ヨハネスに近づくと天使の微笑みを浮かべ、
「もう僕に二度と口を聞かないでください、この大食ぐらい!」
「それをきみに言って欲しくなかったよ……ナルシスト気味のフレンチ君」
ふたりは空中で激しくバチバチと火花を散らす。その様子を先ほどから無言で眺めていたハニーと博士は、
「ハニーちゃん、なんだか私たち、忘れられているようだね」
「この場はふたりの好きなようにさせておいて、デザートでも取りに行こうよ♪」
「それがいいかも知れないね」
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