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複雑・ファジー小説
- Re: 変態紳士と美少年助手の愉快な毎日 ( No.3 )
- 日時: 2014/12/14 18:39
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
目を覚ました彼は、心臓が飛び上がるほど驚いた。なぜなら、昨日の紳士が彼の顔を覗き込んでいたからである。
「どこから入ってきたんですか」
彼は内心驚いていたものの、表面にはそれを出さずに、いつもの営業スマイルで訊ねた。彼のよく使用する武器は天使の微笑みである。
「きみの部屋のドアからだよ。ママさんとは仲良くなったから安心したまえ」
「僕は全く安心できませんね。それから昨日から気になっていたんですが、あなたは何者なんですか」
すると彼は胸を張って答えた。
「私は天才発明家のシナモン博士!そう言うきみの名前は何かね」
「家の表札見なかったんですか……僕はフレンチ=トーストと言います」
「美味しそうな名前だね、食べちゃいたいくらいだ」
「あなたにだけは言われたくありませんっ」
「ところで、フレンチ君。もう一度頼むが、助手になってもらいたい」
「嫌ですっ」
彼がそっぽを向いたので、博士は邪悪な笑みを浮かべ、懐から怪しげな紙袋を取り出した。
「こうなったら奥の手を出すしかないようだね」
彼が紙袋から取り出したのは、フライドチキンだった。実はフレンチは鶏肉が何よりの大好物。彼の母親からそれを聞いていた彼は、チキンで彼を釣ろうと考えたのだ。
「食べたいかね?」
それを見たフレンチは瞳をキラキラ輝かせ、これ以上ないほどの笑顔で言った。
「はいっ!」
「助手になってくれるんなら、毎日あげてもいいんだけどなぁ」
「僕の負けです。あなたの助手になってあげますよ」
こうしてフレンチは、シナモン博士の助手になった。
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