複雑・ファジー小説

Re: シナフレ ( No.31 )
日時: 2014/12/14 07:17
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

「フレンチ君、遅いね」

パジャマに着替えたハニーが口を押えてあくびをした。時刻は夜十時。
既に博士が浴場から上がってきて、一時間が経過していた。

「僕もそろそろ眠たいですね」

ヨハネスも次第にうつらうつらし始めてきた。しかし、博士はフレンチの事が心配で仕方がなかった。

「彼、大丈夫だろうか。もしかして、浴場でのぼせて倒れているんじゃ——」
「フレンチ君の場合、長風呂が癖になっていますから、その心配はないでしょう。一応念のために訊きますが、彼に何か変化はありませんでしたか?」

博士は腕を組んで考え込み、やがてゆっくりと口を開いた。

「そういえば、若干口が悪くなっていたような……」

するとそれを聞いたヨハネスは、ガバッとベッドから立ち上がり、

「ハニーくん、博士、急がないとフレンチ君が危険です!」

先ほどまで冷静だった彼のただ事ではない様子に彼らは戸惑いながらも、浴衣姿で廊下を走り渡るヨハネスを必死で追いかけた。
一体、彼は博士の言葉に何を感じたと言うのだろうか。

その答えは、次回明らかになる。