複雑・ファジー小説

Re: シナフレ ( No.32 )
日時: 2014/12/14 07:08
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

「フレンチ君、どうしてこんな事を!?」
「ウフフッ、僕は分かってしまったんですよ。可愛さこそこの世の全てだってね」
「そんな事ないっ、フレンチ君は——きみは間違ってるよっ!」

ハニーが強く言い返すが、フレンチは意に返さない。

「もう、僕を放っておいてください」
「そんな事できないっ!」
「どうして!?」

フレンチがハニーに詰め寄ると、彼女は顔を真っ赤にして叫んだ。

「だって——フレンチ君の恰好が変態だから」

腰にタオルを巻いて、体から水を垂らしながら歩く彼は、ハニーにとっては変態にしか見えなかった。その言葉にダメージを受けたブラックフレンチは、二、三歩後退する。

「僕の美貌が効果がないなんてあり得ない。僕は——僕の容姿は世界最強なんだーっ」

彼は裸同然の姿でハニーに突進していく。彼女はここで、正真正銘の奥の手を発動する体勢に入った。

「フレンチ君、『ハニーじゃんけん』しよう♪」

その刹那、彼の血の気がサーッと引いて青い顔になると、彼女に頭を下げて、

「僕が悪かったです!」

あまりにあっけなくフレンチが降参したので、ヨハネスと博士はポカンとしていた。後でハニーが言うには『ハニーじゃんけん』とは、彼女の必殺技のひとつで、じゃんけんをして彼女がグーで勝ったら岩石落とし、チョキなら巨大なハサミで首チョンパ、パーなら体が爆散してしまうと言う可愛さの中に最強の恐怖を秘めた技である事が判明し、博士はより一層、この美少女を怒らせてはいけないと肝に銘じた。