複雑・ファジー小説

Re: 変態紳士と美少年助手の愉快な毎日 ( No.39 )
日時: 2014/12/14 19:19
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

フレンチはひとりで何をするでもなく、ただボーっとしてベッドの上に座っていた。博士の観察日記五冊を全て読み終える間に熱は少し下がったようで、彼は何とか起き上がる事ができた。
しかし、ベッドから起きた彼に新たなる問題が浮上した。それは、

「空腹で死にそうです……」

彼はくうくう鳴る腹を両手で押さえ、涙目で呟いた。何しろ彼は朝食も食べていない上に今は昼食時をとっくに過ぎているのだから、無理もない話だ。彼の空腹は限界に達していた。空腹のあまり、彼は食べ物の夢を見る事で空腹を紛らわそうと考え、布団を被り眠りについた。それからわずか数分後、彼は夢のあまりの恐怖に絶叫した。

「僕はチキンの丸焼きが食べたいんです。お願いだから、豚肉だけは僕に見せないでください…ウワアアアアッ、助けてくれぇ、僕に豚の丸焼きを食べさせないでくれぇ!」

美味しい料理の夢を見るはずだったが、何よりも苦手とする豚の丸焼きを食べさせられる夢を見た彼は全身に冷や汗をかいて憔悴した後、

「闇野髑髏さんは、夢の中に夜しか現れないのをすっかり忘れていました……」