PR
複雑・ファジー小説
- Re: 変態紳士と美少年助手の愉快な毎日 ( No.42 )
- 日時: 2014/12/14 19:55
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
フレンチは当初、彼らが持ってきた食べ物を食べることを拒否しようとした。
しかし、ここで拒否してしまえば、どうして食べないのかと質問されるに決まっている。
それを危惧した彼は、少し恐怖で震える手でコッペパンを受けとり、表面上は笑顔でぱくっと一口かじった。彼の舌がパンの触感を感じ取った瞬間、左右非対称の瞳になり、バラ色の頬はリスがクルミを頬張ったかのように膨れ上がり、それがなくなったと思ったら、今度はそのあまりの不味さに口をへの字に歪める——知らない人から見れば顔芸にしか見えない彼の顔を見た博士たちは、吹き出したかと思うと腹を抱えて大爆笑を始める。
彼が執念でコッペパンを水で流し込むと、その顔芸と言っても過言ではないほどインパクト溢れる表情は消え、いつもの愛くるしい顔立ちになった。
「……今のは忘れてください」
彼が今にも暴れ出さん限りの殺気を発した天使の微笑みを浮かべたので、彼らは口々に謝った。しかし、彼は知らない。博士が彼が変顔になるまでの一部始終を撮影し、彼が再び寝入った時に全世界にインターネットでアップしていた事を。
PR