複雑・ファジー小説

Re: 変態紳士と美少年助手の愉快な毎日 ( No.45 )
日時: 2014/12/15 20:39
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

「……な訳ないですよね」
「そうだね♪」

彼らは即座にエデン星に帰った不動が地球に戻ってくるわけがないと考えを改め、ふたり揃って幻覚でも見たんだろうと言う結論に達し、博士を起こした後、三人揃ってホテル内にあるレストランで朝食を取る事にした。
昨日と同じようにヨハネスは大量の食事を瞬く間に平らげると、食後のコーヒーを入れて席に戻ってきた。すると、それを見た博士は、

「ヨハネス君すごいねぇ、コーヒーが飲めるだなんて」
「博士は飲めないんですか」
「私はココア派なんだ」

よく見ると彼はミルクココアをカップに注いで優雅に飲んでいる。ハニーはオレンジジュースをストローでチューチューと美味しそうに飲んでいた。しばらく彼らは、お互いの飲み物に夢中で沈黙していたが、ここで博士が口を開いた。

「ヨハネス君、今になって気づいたんだけど、男の子とは思えないほどすっごく可愛い顔しているねぇ。キスしたいぐらいだよ」
「よかった。僕が男である事に気づいたんですね」
「そうだよ。だって、こんなに可愛い子が女の子な訳ないじゃないか」

その言葉を聞いて、ハニーはショックを受け、こんな事を思った。

『それじゃあ、私の立場は一体どうなっちゃうのかな?』

しかしながら、元々明るい思考の持ち主でくよくよ考えるのが好きではない彼女は、博士が言った言葉をすぐに忘れ、甘くて美味しいケーキを食べ始めた。彼女の頭の中はお花畑であった。

「おいしーい!ケーキはやっぱりいいなぁ♪」
「僕もケーキ大好きです!一口いただいてもよろしいですか?」

彼女とヨハネスと博士は結局レストランのケーキ類を全制覇してしまった。
博士とハニーはお腹が満たされ満足したので今度は目の栄養にと、窓から景色を眺めようと窓を見た瞬間、あまりの事にふたりとも唖然としてしまった。
なぜなら彼らが見たものは、不動に追い掛け回され、大粒の涙を流して逃げまどうフレンチの姿だったのだから。